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【ドラマ】頑張るってやっぱり尊い!『重版出来!』

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誰かセリフを考えて〜

重版出来(じゅうはんしゅったい)

重版(じゅうはん)は、出版物を初版と同じ版を使い、同じ判型・装幀にて刷り直す(増刷・重刷する)こと。重版が出来上がってその書籍が販売されることを重版出来(じゅうはんしゅったい)という。

重版出来!(2016年4月〜)』は、松田奈緒子さんの漫画が原作。脚本:野木亜紀子さん!

オリンピックを目指し柔道に打ち込んできた主人公・黒沢心(黒木華)は、怪我のためオリンピックの夢を断念。柔道をはじめたきっかけが幼い頃に読んだ柔道漫画だったことから、こんどは自分が誰かを励ます漫画を作りたい!っという強い熱意を持って大手出版社に入社、無事に週刊コミック誌「バイブス」の編集部に配属され、新人編集者として奮闘する物語。

出版に関わる全ての人が幸せになれる言葉である『重版出来』を目指して頑張るお仕事ドラマだ。

このドラマ、主人公の魅力が大きいのはもちろんなんだけど、その他の登場人物一人ひとりの描き方もとっても素敵だ!!

編集部・・・
・大のタイガースファンで熱血漢の和田編集長(松重豊
・クールだけど面倒見が良く頼りになる副編集長・五百旗頭(オダギリジョー
・漫画へのリスペクトが半端じゃないけどちょっと頼りない編集者・壬生(荒川良々
・自分が見出した漫画家担当を続けるためにフリーランス編集者という道を選んだ菊池(永岡佑
・利益重視で漫画家を替えの利く道具のように扱う、一見冷たい編集者・安井(安田顕

 

営業部・・・
・緻密な分析で初版部数や営業戦略を立てる営業部長(生瀬勝久
・希望部署ではなかった営業部に配属されてやる気を持てないまま3年経ってしまい、営業先の書店員には密かに『幽霊さん』と呼ばれている営業マン・小泉(坂口健太郎

 

漫画家・・・
・温和で実直、アシスタントにも優しく締め切りも守る大御所・三蔵山龍(小日向文世
・二十歳で賞をとったもののデビューできないまま三蔵山の元で20年アシスタントをしている沼田(ムロツヨシ
・デビュー作『ツノひめさま』が長期連載中。読モの彼女に振り回されるたびに大騒ぎになるが、仕事に対する責任感とプライドは高く原稿は落とさない高畑一寸(滝藤賢一
・イケメン漫画家ともてはやされてはいるが作品人気は読者アンケート最下位に悩む成田メロンヌ(要潤
・編集の菊池と二人三脚で『タンポポ鉄道』を連載中のハ丹カズオ(前野朋哉)。元三蔵山のアシスタント。ほんわかした作品だが静かなブームとなり、営業の小泉が仕事のやりがいに気付くきっかけとなる。
・あくまでも趣味と思って漫画を描いていたが、心に見出されデビューを目指す。真面目すぎてなかなか殻を破れずに悩んでいたところ、安井に原作ものの作画担当として使い捨てられ、一度は漫画家の夢をあきらめる東江絹(高月彩良
・編集部へ作品を持ち込んでスルスルっとデビュー、とても素直な好青年・大塚シュート(中川大志
・絵が下手だけど強烈なインパクトのある漫画を描く新人・中田伯(永山絢斗)。物語後半のキーパーソン。
・20年前にギャグ漫画が大ヒットし富を築くが落ちぶれ、現在は中学生の娘と二人、生活保護を受けて暮らしている牛露田漠(康すおん)

 

 

他にも興都館社長におふざけなしの高田純次、本を愛する書店員の人々など、印象的な登場人物が多い作品。なんでこんなに大勢を書き出したかというと、1時間×10話というノーマルサイズの連ドラにも関わらず、これら全ての人々の生き様や仕事ぶりが実に丁寧に描かれていて、ものすごく充実感があるドラマなのだ!

普通に考えてドラマの中で一人ひとりに割かれた時間は短いはずなんだけど、それぞれがどのように生きてきて、どう仕事に向き合ってきたのかが想像できる丁度いい程度にエピソードが綴られていく。

どこまでも前向きで明るく、仕事熱心で愛されキャラの主人公ほどステキになれなくても、数多い登場人物の中の誰か一人くらいには自分を重ねられる人がいそうな感じ。

私は仏像マニアの書店員・河さん(濱田マリ)みたいな生き方がしたいなぁ〜。

 

出版不況で本や雑誌が売れない時代に、それぞれ仕事や考え方は違うけれど、みんな一生懸命で自分の場所で頑張っている。もしくは頑張れるようになっていく。

働き方改革とかワークライフバランスとかが叫ばれるようになり、なんとなく「必死で頑張る」のはカッコ悪い?って雰囲気になりつつある世の中だけど、目の前の仕事に夢中になって、挫折も失敗もして必死でもがいて一生懸命頑張る姿がとっても心地よい!!

突っ走る若手を甘やかすでもなく、突き放すでもなく育てていくお茶目なベテランたちの仕事ぶりもかっこいい!!

 

誰もが自分の望む仕事につけるわけではなく、どんなに頑張ってもホントに夢を叶えられるのはごくごく一部の人たちだけど。それでも、自分ができる精一杯のところまでがむしゃらに頑張りきれば、夢が叶わなくても後悔はしないんじゃないかな!と思わせてくれる。。。

ホントの出版社はもうちょっと劣悪な環境なんじゃないかと想像してるけど(ステキな上司のオダギリジョーはいないもんね!)、漫画家や出版業界の仕事を垣間見れるのも楽しい、見るとやる気と元気が出るドラマです!