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【ドラマ】社会的タブーのてんこ盛り!『高校教師』

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エアー キッス♪

野島伸司脚本のドラマにはオススメしたい大好きな作品が山ほどあって、さて、どの作品から書こうか、、、っと悩んでいたところ、、、。

先週の大河ドラマいだてん』のサブタイトルが『ぼくたちの失敗』とな!

『ぼくたちの失敗』と言えば、、、ってことで『高校教師(1993年1月〜)』に決定!

「♪ はぁ〜るのぉ〜、♪こもれびの〜なかでぇ〜〜・・・」っと森田童子が儚げに歌った主題歌は衝撃的だった!!

 日向女子高校で不本意ながら生物の講師をしている羽村真田広之)は、ちょっとしたきっかけから二年生の二宮繭(桜井幸子)に慕われるようになる。明るく物怖じしないように見える繭だが、クラスでは孤立気味。謎めいた部分もあって、羽村は彼女の言動に度々翻弄されてしまうのだが冷たくしきれない。羽村には婚約者もいるのだが、そちらとの関係も微妙で少しずつ繭に惹かれていき、、、。

っとまあ、高校教師と女子高生の禁断の恋が主軸ではあるんだけど、周囲の人々にも問題ありあり!!!ドロッドロでグッチャグチャの展開が待っている!

 要素だけを書くと、教師と生徒の禁断愛、強姦、同性愛、近親相姦、いじめ、中絶、暴力、不倫、自殺、恐喝、パワハラモラハラ、etc、、、、凄すぎでしょ!? 

今、地上波で放送したらどうなるんだろう!?
コンプライアンスやら何やらで絶対に無理なんだろうけど、、、

ショッキングでおぞましいシーンは多々あるものの、桜井幸子さん演じる繭の透明感や真田さんの佇まいが美しい詩の一編を読むが如く、という感じで。叙情的で儚い美しさとでも言うのだろうか?何とも言えない、魅力に溢れた名作ドラマだと思う。

 

繊細で物静かであるがゆえにアチコチから追い詰められてしまう羽村と、笑顔の裏に隠された悲しみを知ればしるほど苦しくなる繭の二人が、互いを求め合わざるを得なくなる状況へ追い込まれ、ついに、、、、という物語。

 

列車の中で二人が寄り添うラストシーン。生死がはっきりしないまま終了したことで様々な解釈が語られたことも話題になった。

野島伸司さんのコメントによると、これはハッピーエンド。二人の生死については視聴者の判断に委ねる、っとのこと。

うんうん、その通りだ!読書だってそうよね。自分自身が感じたことが全て。作者がどんな意図で描いた物語でも、受け取る側が自由に解釈していいものなのだ。作者の意図を知って「なるほどな〜」と思うもよし、自分はこう思った、こうならいいなと思った、でも全然いいのだ!

何事も、ハッキリすればいいというものではない。
散々ハラハラさせた挙句に余韻を残して終わったからこそ、深く心に刻まれたドラマなのかもしれない。

 

さて、このドラマ、2003年1月〜続編が放送された。

主人公の高校教師は藤木直人。ヒロインの女子高生は上戸彩京本政樹以外の出演者は一新され、ドラマの中でも10年の時が流れている。なので、ストーリーも全く別物。

こちらもちゃんと見ていたんだけど、残念ながら記憶が薄い。

やっぱり1993年版が強烈すぎたんだよなぁ〜〜。

 

野島伸司脚本ドラマは、『高校教師』以降、『この世の果て(1994年1月〜)』『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら〜(1994年7月〜)』『未成年(1995年10月〜)』『聖者の行進(1998年1月〜)』『リップスティック(1999年4月〜)』『美しい人(1999年10月〜)』、、、っと1990年代に破滅的でヒリヒリして胸が苦しくなるけれど一時も目が離せない、。。。というドラマが続く。もちろん、この間に『ひとつ屋根の下』みたいなアットホームな作品もあるんだけど。

2000年以降の作品にも好きな作品はたくさんあるんだけど、1990年代のヒリヒリドキドキ感は薄れて、どちらかというと優しく温かい、穏やかな雰囲気の作品が増えてくる。

これって、時代の空気ってやつなのかなぁ?

思えば1990年代はバブル景気からバブルが崩壊して世紀末に向かって世間がワシャワシャしていた時期。だからドラマにもヒリヒリ感が求められてたのかなぁ?

2000年以降はヒリヒリよりも安定が求められ、安全・安心。って方向に変わっていったってこと?それとも、コンプライアンスやらクレーム対策やらが先行しすぎた結果、安心・安全を重視した作品が増えざるを得なくなったのかなぁ?

テレビコマーシャルに「※CM上の演出です」みたいな言い訳が増えたのはいつ頃からだったかしらね?いやいや、分かるし、そんなこと。って思うんだけど、書いておかなきゃクレームが来るってことなんでしょ?

最近のドラマがつまらないと言っているわけではないんです。面白いものだってあるけれど。優しく心穏やかになれるドラマも大好きだけど。時にはがっつり、背徳の物語でヒリヒリさせて欲しい!

地上波ドラマ作品の幅を狭めているのは、コンプライアンス重視というのもあるんだろうけど、視聴者のクレーム体質にも一因があるんじゃないかなぁっと思う今日この頃。昔からクレームはあったんだろうけど、SNSなど誰でも簡単につぶやけるツールが増えたせいで、ネットの意見が大多数。という幻想に翻弄されていないだろうか?

おそらく大多数の視聴者は良識を持っている。「CM上の演出です」なんて注釈がなくたって「フィクションです」と言わなくたって、ちゃんと分かってる。

 

ほんの一部のクレーマーに迎合して、大多数の良識あるドラマファンをガッカリさせないで欲しいのです〜〜!

 

あれ?なんだか話が逸れてしまった(汗!

 

とにかく。野島作品、面白いよ〜〜!