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【映画】AI崩壊:地球が滅びる原因は人間か?AIか?

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脱デジタル宣言!は、もう不可能なの~?!

映画は意外と未来を当てる?!

 「オッケーGoogle♪」「ヘイ!Shiri!」「Alexa~♪」なんて楽しんで話しかけているうちはいい・・・のかどうなのか?AIに人間の生活をお任せした果てにあるものを見させてもらったような映画『AI崩壊』。これを単に絵物語にしてもいいのだろうか?

 ・・・というのも、以前にここで書いたスリラー映画『コンテイジョン』で描かれたことが多少なりとも今、新型コロナウイルスの大流行で再現されているのだから。

 

entame-i-ga-tomaranai.hatenablog.com

 映画だから大げさに表現される。ドラマティックに展開されている。…でもね、ここで考えたいのは、「こんなパニックが起きた時に人間のメンタルはどこまで現実についていけるだろうか?」っていうところなんじゃないかって思うわけ。そういうありえへんことが疑似体験できて、「こんな時、自分だったらどうするか?!」を知るきっかけに映画やドラマを利用できるってスゴくイイと思うんだけどな…。

 だって私は『コンテイジョン』を観たおかげで、外出時にとにかく手を清潔にすることを心がけるようになった。手で顔を触らないよう気をつけるようになった。除菌シートを携帯するようになった。映画で登場したウイルスは接触感染するものだったので、感染者が触れた物に触っただけでうつってしまう。こうした対策は今、恐れられている新型ウイルスだけじゃなく、インフルエンザ予防にもなる。感染症が流行しているのなら、自分ができる範囲での防衛策をとるしかないのが実際のところだから。

・・・で、それでもダメだったら諦めるしかない。

国民の全データを握ったAIがもし暴走したら?!

 映画『AI崩壊』は、タイトル通り、人間社会がAIに頼りすぎた挙句、AIによって人間の生命が(社会にとって必要のある人間かどうか)で選別されていくという恐ろしい事態を描いた物語だ。

wwws.warnerbros.co.jp

 舞台は2030年。超高齢化社会になり、納税者(つまり仕事を持ち働いている人)は全体の50%、子供は10%、残りは高齢者および税金を使って生きている人たち。労働力の大半はAIに頼り、高度最先端医療はAIとの融合によって国民の健康も管理されている世の中になっていた。が、なんと!このAIがある日暴走する…。

 

 このAIの原型を開発したのは主人公の桐生(大沢たかお)である。愛する妻の望(松嶋菜々子)ががんに罹り、医療AIによる新薬開発を急いだのだが、残念ながら間に合わず、亡くなってしまい、失意のうちに一線から遠のき、海外で一人娘と自然豊かな暮らしを送っていたのだった。

 そんな桐生のところに、彼がかつて開発したAIが国家における貢献が認められ内閣総理大臣賞を受賞したという連絡を受け、しぶしぶ日本へ帰国することに。

 亡き妻の弟である西村(賀来賢人)が桐生の意思を引き継ぎさらに進化したAI『のぞみ』は、国民の健康管理に欠かせないものになっていた。

 授賞式に向かう道中、AI『のぞみ』は突如、暴走をはじめる。人間の指示を無視して、自動学習機能によってコンピューターが勝手に動き出してしまうのだ。しかも、なんと暴走の首謀者として桐生が指名手配される!

・・・現在、絶賛上映中なので、その先はぜひ劇場で観てね。

 

人間の幸せのためのAIが人間を殺戮する

 映画『AI崩壊』には、今の日本が抱えている問題が提起されている。超少子&超高齢化社会。働き手が減ればおのずと税収は減る。が、税金や年金を使うところは増える一方。国家は崩壊の危機へ…。これは、今、実際に起きている事実だ。

さて、そこからだ。

 AIが自動学習モードに完全に切り替わり、『生命の尊重』を無視し極めて合理的に人命をコントロールできるようになるとしたら、社会にどのような指令を出すだろうか?

 映画『AI崩壊』では、国家を崩壊から守るために人間の選別が行われる。選別には基準があり、年齢(余命)、健康状態、納税金額などなど…。つまり、国の財政に貢献できる人間だけ生かそうとする選別だ。

 

 この映画が単なるエンターテイメントであってほしい。だって、もしこんな選別をされたら私は真っ先に殺されちゃう。映画は2030年、いまから10年後だ。10年後、私はもうそれほどの労働力はなくなっているだろうし、健康状態だって自信がない。子供を産めるわけでもない。国にとっての(おにもつ)になっている可能性大である。(まだ、年金受給の年齢じゃないけどね)

『働かざるもの食うべからず』とは昔からよく言われていたけれどねぇ…。

 

 一方でマイナンバーカード制度がもし、もしきちんと施行されたら、私たちはIDですべての個人情報を国に管理されるスタートを切るわけですよ。『AI崩壊』で描かれているAIによる管理の第一歩は、個人情報をすべて掌握することだから。

 一人ひとりID番号が付与されて、健康保険も銀行の通帳もIDに紐づけされ…。IDによる一元管理って想像以上に恐ろしい世界への第一歩だと思うんだけど、それって私だけ?

 

映画は途中、ダイハード化!

 映画『AI崩壊』は、指名手配され警察に追いかけられる桐生(大沢たかお)が、暴走したAIにストップをかけるために必死で逃亡する姿が描かれる。

 警視庁サイバー犯罪対策課、警察庁理事官の桜庭(岩田剛典)以下、警察の連中は桐生の抹殺を狙うのだ。すでに世の中は監視カメラだけでなく、個人の端末まで国家のコントロール下にあり、包囲網を抜け出すことなど不可能な状態だ。桐生の逃亡劇はだんだんエスカレートしていき、途中から「こりゃ、ダイハードか?」と思ってしまった。桐生は頭脳明晰なだけでなく屈強で超人的な身体能力を持ち合わせていたのだ。

 昨年上映された『キングダム』で大沢さんは超マッチョなボディを披露してくれた。…彼は、ブルース=ウィリスを狙っているのかしらん?!

 

 とにもかくにも終始ハラハラ&ドキドキでどうなっちゃうのか鳥肌モノ!そんなエンターテイメントに、ちょっとだけ現実的に未来への想定も含めて観てみると、いろんな意味で、今、日本が、世界が向かおうとする社会に対して「これでいいのか?」という疑問を持たずにはいられない。・・・ので、ぜひ『AI崩壊』を観て、いろいろな人の感想を聞きたいものです。

 

★みじん子レーダー【映画】AI崩壊
●ドラマティック度:★★★★☆
●鑑賞後の心地良さ:★☆☆☆☆
●ドラマの重量感:★★★★☆
●涙活度:★☆☆☆☆(怖すぎて涙腺も固まる?!
★ちなみにエンディングに流れる歌はAIさん(笑)ハラハラドキドキ怖ーい131分