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【映画】前田建設ファンタジー営業部:働き方改革は仕事のファンタジー化?!

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日本の土木建築技術の粋を集め、マジンガーZの格納庫は誕生するのだ!

 

この時代だからこそ、新しい「仕事の在り方」

 昨今の異常気象だけではなく世の中は急速に大きく変わってきているんだなぁ~と思うひとつに『働き方改革』がある。この改革は超少子&超高齢化社会での労働力確保、のように映るが、実際は「みーんなどんどん働いて納税してくださーい!」が『一億総活躍社会』の目的でしょ?

 で、表向きは労働者の勤務体制の改善ばかりがアピールされているけれど、それは単に労働に拘束される時間とのバランス改善や労働者のライフスタイルを確保するために、物理的な規制をかけるってことになる・・・だけど、それだけじゃあ本当の意味での働き方改革になっているのか?と問うといささか疑問だ。

 今のところ、我々は仕事をしなければ収入を得られないという社会システムの中で暮らしているわけで、じゃあ、仕事は時間が短ければいいのか?といえば、それだけでもないし、待遇がよければいいのか?だけでもない。・・・で、この映画を観ると、なんだかんだでもっと手前のコト、仕事が「面白いか?」という考え方も働き方改革の大きなエッセンスじゃないかと思うのだ。

マジ、マジ?!マジンガーZ!? 

前田建設ファンタジー営業部』は、アニメ『マジンガーZ』の地下格納庫兼プールの建設の実現を想定して実際に動く!というミッションを担った実在の組織の奮闘を描いた物語。

 実際の『前田建設ファンタジー営業部』のサイト(映画のサイトじゃないよ)はこちら↓

 

www.maeda.co.jp

 アニメ『マジンガーZ』を知っていますか?私は再放送組です。(再々放送組や、再々再放送組などもいるでしょうが…)。昭和40年前後に生まれた人なら、子供時代、マジンガーZに萌え~た人が多かったでしょう。

 あのアニキマフラーをそよがせる水木一郎さんの「空に~そびえる~くろがねの城~♪」ですよ。私は今でもちゃんと歌える。

 当時のテレビアニメはどれもカッチョよかった。デビルマンも、バビル2世も、ガッチャマンも…。その中でも機動戦士ガンダムの原型なんじゃないかと思うくらいカッコよかったのがマジンガーZである。兜甲児が乗ったジェットパイルダーがマジンガーZの頭部に着装する『パイルダーオン』によって、マジンガーZは無敵の力を僕らのために発揮する。なんといっても、Zの胸部から高熱線を放つブレストファイヤーで敵はイチコロだ。

 ZのパートナーであるアフロダイAの光子力ミサイル(いわゆる「おっぱいミサイル」)は、ピンク色がメインのボディと相まってとてもセクシーで、私は当時、子供ながら男女の性差ををこのアニメで思い知った気がする。(が、今の時代はご法度なんだろうなぁ…)

 このマジンガーZが出動前に待機している光子力研究所の地下格納庫は上空から見るとプールである。が、いざ出動!となると、モーゼの十戒のごとく水面が真っ二つに割れ、地下からマジンガーZが登場する。・・・この格納庫を光子力研究所の弓教授から発注を受け、企業の持ちうる技術を駆使し工期と予算を算出するのだ。

 それを極めてド真面目に取り組む姿が映画で描かれている。

 

 ファンタジー営業部は、グループリーダーのアサガワ(小木博明)以下4名。このとてつもなく馬鹿げたミッションをアサガワから言い渡された部下たちは、最初は半信半疑でテキトーに受け流していた…のだが、熱意がだんだん伝播して…。

 

 現在、絶賛上映中なのでネタはここまで。

maeda-f-movie.com

 これからはドリームが持てるワクワクワークだ!

 映画はコメディタッチで描かれているがとにもかくにも熱い!パッションだらけである。だからといって「これはただの映画でしょ?!」と思うだけじゃ勿体ない。この映画で『働き方改革』の根本的なこと=自分と仕事の関わり方を考えたくなったのだ。今は大手ゼネコンが活躍できる大型案件は縮小傾向。民間企業の厳しい予算削減。AIが人間の代わりになっていく世の中で、仕事を「人の心をゆさぶる時間」にはできなくなっていくのだろうか?

 仕事を「生きがい」とするのはナンセンスだといわれている今の時代、「じゃ、仕事って人生の何なの?」と尋ねたら、単に「食べるため」「お金のため」だけだとしたらとてもつまらない。やはり、人生において多くの時間とエネルギーを費やすのだから心に響く「何か」がなければ、パッションの「パ」の字も無ければ「自分の働き方はどうすりゃいいのさ」。まるで懲罰による強制労働者の心境になってしまいそうだ。

 一方、会社は会社で効率化とコストカットばかりに躍起になり、社員のモチベーションを下げる空気にさえ気がつかなくなり、リストラ策で頭を痛めた挙句、副業奨励で雇用の保障さえも担保できずに、行き当たりばったりで社員を使い捨てする。

 会社の技術やサービスはいかほどのものなのか、ファンタジーの世界に転じて具体的に検証するというアイデアは、企業のCSV経営(社会貢献と企業利益の両立)の新発想なんじゃないかと思うのだ。

 異常気象、自然災害、新種の感染症…、きな臭い湾岸情勢…実は地球は危機に瀕している。ぜひ、アニメ界のヒーローたちに、この地球を救ってもらいたいと願わずにはいられない!!その可能性を、日本企業がこれまでに築いてきた技術をぜひぜひ具体的に生かしてもらいたいと願うばかりだ。

 

★みじん子レーダー【映画】前田建設ファンタジー営業部
●ドラマティック度:★★★☆☆
●鑑賞後の心地良さ:★★★★★
●ドラマの重量感:★★☆☆☆
★夢のある仕事で世界を救ってほしい!!と願う115分