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【映画】コンテイジョン:新型コロナウイルスの猛威を映画から考えてみよう

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映画の恐怖が現実に?!

 世の中の変化の勢いについていけない

 華やかな2020年の幕開け!と喜んでいたのも束の間、なんだか物騒な世の中になっているじゃあないですか…。中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染による肺炎の発症。日本を含む世界各国で感染が拡大しつつある。

 なんといっても『新型』であるから、このウイルスに直接太刀打ちする術はが現状では無い。徹底的な予防を心がけるか、自らの免疫力に頼るかしかないのだ。

 世の中のグローバル化に伴って、そもそも国際的なリスクとして想定されていたパンデミックが、現実のものになった。

 ・・・ということで、まだパンデミック絵空事だった2011年に公開された恐怖映画『コンテイジョン』をいまいちど見直して、何か学ぶことができるのではないか?と思い立つ。

 

今の世はスリラー?!

コンテイジョン』(Contagion:感染)パンデミックの恐怖をリアルに描いたスリラー映画。ジャンルがスリラーというけれど、描かれた世界は空想の世界と言い切って笑えそうにない。もはやこの世の中はスリラー化?!嘆かわしいことである。

 劇中で発生したウイルスは極めて感染力が高く、致死率も高い危険度MAXのウイルス。ここは、現状の新型コロナとはだいぶ違う…ということを心得ておこう。じゃないと、映画の展開が怖すぎるから。

 

 この恐怖のウイルスが最初に発生した場所は香港。香港に出張していた米国女性のベス(グイネス・パルトロー)が出国前、ジョン・ニールという男からの電話に「これから飛行機に乗るわ」と答えるシーンから物語がスタートする。どうやらベスは香港から帰宅の途につくらしい。電話口で少し咳き込むベスにジョンは心配するが、彼女は出張の疲れが出たのだと思っていた。

 帰宅し、愛する息子のクラークとおかえりのハグを交わし、ベットに横たわる。が2日後、突然、激しいけいれんを起こし、ベスは呆気なく亡くなってしまうのだ。実は、時を同じくして、香港を中心に世界各国にチラホラと同症状による死者が続出し…。夫のミッチは悲嘆にくれる間もなく隔離され、検査を受けるが症状がでなかった。運よく、ベスの帰宅時に不在だった娘のジョリーも感染を免れた。

 

 発生から1週間も経つと、ものすごい勢いで感染者が続出する。初期の推定では致死率約20%。WHOはレベル4に指定しウイルスの特定に急ぐ。米国疾病対策センター(CDC)は危険を顧みずに感染者を調査するのだが、その中の中心人物であったDr.ミアーズ(ケイト・ウインスレット)までも感染で命を落とすことに。しかも致死率も20~35%へ引き上げられ…。

 

陰謀論を掲げ不安を煽りひと儲けする者も…

 一方で、過激なフリージャーナリスト兼人気ブロガーのアラン(ジュード・ロウ)は、政府の陰謀論を説き「製薬会社との利権と癒着によって国を挙げてワクチンを隠している、特効薬は薬草のレンギョウだ」という噂を流し、多くの人たちの不安を煽り、株価操作とレンギョウエキスで大儲けする。レンギョウエキスを求めた人たちによってドラッグストアがパニック化し、襲撃され、火をつけられ、治安はどんどん悪化。

 やがて感染者が増えすぎて、病院だけでは受け入れられなくなり、体育館などの公共スペースが使われるようになる。亡くなった人の埋葬が追いつかず、広い空き地にとりあえず埋葬することになるのだが、遺体を収める袋も不足する…。

 

 ようやくウイルスを特定し、ワクチンが作られるようになるのだが、よもやその生産量は接種対象者の数に追いつく数ではなくなっていた。アメリカでは公平を守るために、接種対象者をくじ引きで決めるのだが、喉から手が出るほどワクチンを欲しがっている人が、誘拐や略奪を犯し収拾がつかなくなる。

 大儲けしていたアランは、ワクチンが作られるようになると今度はワクチン接種による薬害が起きるという根も葉もない情報を流布し、自らの金儲けのために情報操作を始める…。

 結局、アランは証券詐欺、共同謀議、過失致死罪で逮捕、されるのだが、被害者たちから巻き上げた金で保釈金を用意し保釈される。

 やげて、ワクチンのおかげで感染拡大はゆるやかに収束していくのだが…。

 

豪華キャスト、現代に切り込むテーマに見応えアリ!

・・・とあらすじはざっとこんな感じ。豪華な俳優たち、、、すごいでしょう。とにかくキャストが豪華です。それだけでも観る甲斐があります。

 映画のラストにウイルスの最初の感染が再現されるんだけれど「あぁ、これはあり得る。いつだってありえることなんだ!」という恐怖が、ホラー映画ではないリアルになりつつあることを示していて鳥肌モノだ。(このブログの最後に書く)

 だからこそ、今、観ておいてもいいんじゃないかなっていう作品だ。

 

映画『コンテイジョン』から 考えたこと

  • 見えない敵(ウイルス)が猛威を振るったとき、自分を守る術はあるだろうか?
  • 新型ウイルスは(最初の感染者の特定)と(感染経路を掴むこと)がカギとなる
  • 外出したら、他人との接触はもちろん、物にも触れてはならない。もし、触れた場合は速攻に滅菌・消毒すること
  • 特に、滅菌・消毒していない手で自分の顔を触ってはいけない
  • 不安を煽る情報が必ず出回る。情報の正確さを精査できる知識を持つこと
  • ワクチンができても、すぐに希望する人に接種できない(生産が追い付かない)
  • 街は荒廃し、窃盗や略奪が増加、治安が悪化する
  • 誰を守りたい?誰を守る?自分?それとも?優先順位は?

 

…などなど。

 

 そして、ワクチン開発のために多くの動物の命(映画ではサル)が奪われている。ということも忘れてはならない。

 

 映画で描かれているウイルスは非常に感染力が強く、感染者が触れた物に触れただけでうつってしまうもので、潜伏期間が短く、発症後まもなく重症化し致死率が高いというこわーいウイルス。新型コロナウイルスはそこまでの恐ろしさはない(だろう)と思いたいけれど、ウイルスの特技は感染を広げていくたびに変異していくこと。だから、「これは映画でしょ」と笑ってもいられない。

 

・・・ということで、最後に映画『コンテイジョン』で描かれたウイルスの感染経路。

  • 宿主=コウモリ→豚(養豚)→人(調理人)→客(レストランに来たベス)

 ベスは出張先の香港で入ったレストランの調理人と握手を交わす。ベスが飲んだカクテルグラスをかたづけたボーイ、ベスが食後に行ったバーのカウンターに忘れ物をしたのだが、それに気づいて手渡した女性…。彼らはみな感染し命を落とす。

 皮肉にも、宿主のコウモリがとまっていた木をなぎ倒すショベルカー(?みたいな車)は、ベスが務めていたアンダーソン社のものだった。(こういうところドラマティックだ)人間が動物の暮らす場所を侵して、身勝手な環境破壊を繰り返した結果、でもあるのだ。

 

 感染経路の調査の過程で、ベスが出張先で元カレのジョン・ニールと浮気していたことがバレてしまう。それが映画冒頭のシーンにリンク。愛する妻を失いながらも複雑なミッチ。

 感染症の調査っていろいろなことが明るみになってしまうんだな、、、ということも忘れてはならない人、、、いませんか~?!

 

 劇中でこの世の中に切り込む名言があった。

『誰であれ、金には免疫がない…』

 

 なんだかいろいろ、なるべくしてなっている今の世の中…なのかもしれないと思ったりする。

 

★みじん子レーダー【映画】コンテイジョン
●ドラマティック度:★★★★☆
●鑑賞後の心地良さ:★☆☆☆☆
●ドラマの重量感:★★★★☆
●涙活度:☆☆☆☆☆(怖すぎて涙腺も固まる?!笑)
★予言のような展開?!豪華キャストで見応え充分の106分