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【映画】CATS-キャッツ-:完全実写化の可能性を考える

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自分を愛し、互いを尊重し合うことは猫も人も同じね…

『CATS』を知らないにわかファンです

 私はここで何度も「ミュージカルが大好き!」と言っていながら、実は『CATS』は観たことが無いんです!つまり「にわかミュージカルファンっす」…と言わねばならないほど『CATS』はミュージカルの王道である。

 ミュージカル『CATS』が劇団四季によって日本で初めてキャッツ・シアターで公演されたのが1983年。当時、大々的にテレビで流れていた『CATS』のCMを今でも覚えている。…んだけど、観に行く機会がないまま今に至る。…というより、何故か今までずーっと私の中のミュージカル「観に行きたい」リストのトップ3に入っていなかった。

 

 私は自他ともに認める猫好きである。実際、いまPCに向かっている私の膝の上に猫がまあるくなってゴロゴロ喉を鳴らしている。至極幸せの時間だ。だから「猫もミュージカルも好きな貴方はもちろん『CATS』は観ているはずでしょ?」と言われそうなのだが、2020年1月に公開された完全実写版『CATS』が初めての『CATS』になった。自称ミュージカル好きの『CATS』知らず…その不思議を自分でも感じていたのだが、映画を観たら、なぜかその不思議が理解できた。

  完全実写版『CATS』は、意見が真っ二つに分かれているようだけれど、まっさらな状態で観た初『CATS』を映画で体験した私の感想は、

「あと2回は観たいなと思う」作品である。1回観ただけじゃあ…味わいきれなかった気がしたのだ。

 感動もしたし涙も出たし、十分じゃない?と思ってもいいんだけど、心の片隅にある「作品を解釈しきれないでいる不完全燃焼状態」をどうにかスッキリさせたいと思ってしまう…。これが『CATS』にハマっていく入り口なような気がしてならない。

 この悶々とした感覚は、私が高校生の時、物理の自由落下運動の意味が分かりそうでどうしてもスッキリ理解できずに公式だけ無理矢理覚えて、テストでは単に数字だけ当てはめて、結局分からないままギリギリで赤点を逃れ単位をもらってしまった…経験ととても似ている。理解不足の自分が明るみになっただけ、という感じ。

 分かりそうな気もするんだけどスッキリしない。…でも、なんとなーくは理解できる。でも、ハッキリしない…。

 映画を観て悶々としながら『CATS』の解釈を自分なりに得たいとネットで解説しているサイトを探していたら、とてもいい記事を見つけた。

 

www.club-typhoon.com

 これを読むと、私の理解力の無さを嘆く必要はなかったのだ…と感じて正直「ホッ」とする。初めて観た人が、

「歌が上手かった、ダンスが素晴らしかった、特にバレエでの表現は美しかった…。…でも、物語としては「一体、何を言いたいのか?」が掴みきれなかった…」

と思うことはヘンじゃない、と。

 

そもそもストーリーを追わなくていい

 ミュージカルの醍醐味、歌とダンスを存分に堪能できるのは『CATS』だと思う。身体の動きが俊敏で飛んで跳ねる猫たちのしなやかさを人間が身体能力を駆使して表現する。登場する猫たちのそれぞれ異なるキャラクターがいろんな歌で表現される。人間社会の片隅で展開される猫社会。けっして分離されているのではなく共存している。

 そんな猫の世界を、ペット好きだと言われるイギリス人のT・S・エリオットが児童向けの詩 『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』として生み出し、アンドリュー・ロイド・ウェバーがミュージカル作品にしたのである。

 原作は児童向けの詩である。だから『猫の世界を味わう』ためのミュージカルなんだな、、、と思えば、映画『CATS』は約2時間でミュージカル『CATS』の世界を堪能できる素晴らしい作品だと思う。

 わざわざ猫人間にしなくても…と思う人もいるみたいだけれど、猫という生き物を人間の身体能力を使って表現するので、完全実写版を制作するなら猫人間にするしかない、というのは当然だろう。

 

人間の身体パフォーマンスをミュージカルとして堪能

   ちなみに、ウチのJKは『CATS』の番宣を観て「ちょっと気色悪~ッ」と言っていた。確かに不思議な生き物だ。猫なんだけど人間。人間なんだけど猫、、、みたいな。でも、そういうのをひっくるめても、映画『CATS』で中心人物となったヴィクトリアの愛くるしいこと。可愛くて、美しくて、しなやかで…。妖艶でセクシーな謎めいたボンバルリーナをテイラー・スウィフトが演じている。さすが、ナイスプロポーション!!

 美しい歌声とダンスで惹きつけて、結局、名曲『メモリー』でキマリ!なのである。いつ、どこで聞いても心震える曲が『CATS』の主題なのではないだろうか。

 

 とにもかくにも、歌と踊りに魅せられてアッという間に観終えてしまった映画『CATS』。あと何回か観れば哲学的な面にも触れられるのかもしれないけれど、そんな難しいことを考えずに、まずは歌と踊り、人間の身体能力の美しさを「猫」の姿を通して楽しめる素晴らしい作品であると思った。

 

 最後に、冒頭で書いたミュージカル好きだと称する私が何故、今まで『CATS』を観なかったかというと、「キャッツという物語はどんな感じなの?」か、が私に届いたことが無かったからだ。だから「観たい」と思わなかった…。つまり、私はストーリーに魅力を感じてしまうってこと。そういう自分の嗜好を知って、でも新しい世界を魅せてくれた『CATS』。を今度は劇場に足を運んでライブで楽しんでみたいと思うのであった。

 

★みじん子レーダー【映画】キャッツ
●ドラマティック度:★★☆☆☆
●鑑賞後の心地良さ:★★★★☆
●ドラマの重量感:★☆☆☆☆
●涙活度:★☆☆☆☆
★猫世界を歌とダンスで…身体パフォーマンスを堪能の110分