【ドラマ】半人前ドクター=『ハンドク!!!』
2020年の幕開け、連ドラ界では医療ドラマが大混戦。
日テレ「トップナイフ」(脳外科医・天海祐希)
TBS 「恋は続くよどこまでも」(循環器内科・佐藤健、新人看護師・上白石萌音)
TBS 「病室で念仏を唱えないでください」(救命救急医・伊藤英明、中谷美紀)
フジ 「アライブ がん専門医のカルテ」(腫瘍内科医・松下奈緒)
テレ東「病院の直しかた」(元大学病院内科医、院長・小泉孝太郎)
ってな具合だ。テレ朝だけは、今回、白衣着てるのは「科捜研の女」だけなんだけど、「ドクターX」などの定番モノを持っているので医療ドラマをいつもやってるっていうイメージがある。ドクターXは外科だね。
NHKの「心の傷を〜」は医療ドラマというよりは震災関連ドラマかな?っと思うけど、とにかくお医者さん目線の話だから挙げてみた。
すごいよね!!
医療モノとひとくちに行っても、メイン扱いの科が被ってない(笑
みじん子さんが「実は同じ病院の別の科だったってオチだったら面白いよね!」っと言っていたけど、まさにその通りだ!
それぞれ病院名が違うからそんなことはないんだけど、同じ系列病院って設定くらいにはできそうじゃない?それぞれ優秀なお医者さんばかりなんだもん、揃ったら最強の病院になるよね〜〜!!
過去にも医療ドラマはたくさんある。医療モノと刑事モノは定番だもんね。
私は『救命病棟24時』シリーズが印象的かなぁ。
もちろんニノの『ブラックペアン』も外せないけど、『白い巨塔』『コード・ブルー』『白い影』『Dr.コトー』『チーム・バチスタ』『ナースのお仕事』『医龍』『コウノドリ』『JIN』・・・・パッと思いつくだけでもあげたらキリがない。
生命の現場のお話だ。何だかんだ言っても夢中で見られるジャンルだろう。
医療ドラマは時代とともに「リアル」に拘る作品が増えてきたと思う。もちろん、本物のお医者さんや看護師さんが見たら「ありえない」って話が多いんだろうけど、いつ頃からか、本物のような手術シーンが見どころだと番宣するように。俳優さんたちはすごいよね〜〜。本物らしく手術シーンを再現しながら演技もして。何シーズンも続いたら本当に医師免許も取れちゃうんじゃないかしら?っと思えてしまう。
何せ、何十年もドラマを見続けているだけの私も、練習したことはないから手技こそは出来ないけれど、点滴交換の手順とか、何なら手術の手順とかも言えるようになってしまった。もちろん、フィクションだとわかってはいるけれど(笑
数年前、ちょっとした手術をすることになり入院したことがある。経験した方はお分かりだろうけど、術前に麻酔医の先生がやってきて、全身麻酔の注意点、手順などの説明をしてくれるでしょ?担当の麻酔医くん、若くてちょっとヤンチャ系イケメンでカッコ良かったからドキドキしちゃったってのは余談なんだけど、私は入院前のシーズンにやってた「風のガーデン」というドラマの中で、麻酔医役の中井貴一が術前説明をしているシーンをよく覚えていた。イケメン麻酔医くんの術前説明。現実はどうなんだろう?っと興味津々で聞いていると、、、中井貴一とまるで一緒だ!!
私はイケメン麻酔医くんの先生になった気分になり、心の中で「そうそう、それでいいよ。間違いないよ!」などと添削しながら、初めての入院・手術だと言うのにワクワクしてしまった(笑
倉本聰脚本のドラマで丁寧に作られてたってこともあるんだろうけど、ドラマのお医者さんたちは、フィクションの中で可能な限りリアルを表現しているんだなぁっと実感できた体験だった!
ちなみに「風のガーデン」は、麻酔医だった白鳥(中井貴一)が末期癌になっちゃって絶縁状態だった家族の元(富良野)に戻り、緩和医療を受けながら父や子供たちとの関係を修復しつつ終焉を迎える…という物語で、現役麻酔医のシーンは最初の少しだけ。全体的にはファンタジックで優しく温かい、命と家族の物語って感じかな。
・・・・・・・
っと、いつものごとく、思いのままに書いていると本題になかなか辿りつかない(汗!
やっと『ハンドク!!!(2001年10月〜)』である。
リアルに拘って作り上げた医療ドラマが多い中、全然リアルじゃないところが面白い!
長瀬くん演じる狭間一番は元・池袋のチーマーだった研修医。母の死をきっかけに医者を目指した熱血漢である。配属されたSMHは超近代的でシステマチックな病院で、全てが院長(沢村一樹)によって管理されている。現代の「働き方改革」を先取りしたような設定で、医師や看護師は十分に休んでベストな状態で医療にあたるべきということで残業なし、救急対応もしない。目の前で苦しんでいる人がいても「ルール」先行、人間味のない病院のため、感情を優先する一番は最初から問題児扱いされ「バカイチ」と呼ばれている。
SMHの理念とは全く合わない一番がなぜ採用されたのか、院長がここまで冷徹な人間になったのはなぜなのか?
先輩医師や同僚の研修医たちとぶつかり合いながらも、一番は自分の信念にしたがって患者を助けるために奔走する。まだ半人前で出来ないこともたくさんあるんだけど、そこは勢いとセンスで乗り切る。いかにも粗野で野蛮な一番に備わっている医師としての才能には秘密がありそうで、、、。
っとまあ、そんな感じの物語なんだけど、色々とぶっとんでいる。
目が良いことが自慢の一番なんだけど、なぜか全然注射が打てない。同期の研修医(佐々木蔵之介)を練習台にして何度やってもうまくいかない様子を見た理事長(野際陽子)は彼が遠視であることを見抜き、一番に赤縁メガネを渡す。以降、一番が医療行為をする時はウルトラマンの変身のようにメガネをかけるようになる。決め台詞ならぬ、決めメガネだ。
沢村一樹演じる院長は心臓移植の権威という設定なんだけど、その術式がすんごいのよ!彼が開発したというオイルみたいな液状の薬を壊死した心臓にすり込むと心臓が復活しちゃうの!!!無表情で心臓にオイルを塗りたくる沢村一樹の様子はまるでサイコパス!
指導医たちは電話ボックスみたいな喫煙ルームで煙をモクモクさせながら愚痴る愚痴る。たばこを吸うシーンですら滅多に見られなくなった現代のドラマからしたらとんでもないシーンなんだけど、ほぼ毎回出てくる。で、笑える。
一番のチーマー時代からの舎弟・ノブは金髪にしたニノが演じている。二人は新聞配達店の二階に下宿しており、ノブは配達員としても働いている。店のみんなとの食事シーンなど、あまり本筋には関係なさそうな場面が多いんだけど、、、ノブは後々、一番の医者人生を左右する事件を起こすことになる、、、。
金髪ニノちゃん、可愛い〜〜〜!!!
だけど、池袋では「鬼殺しのノブ」として不良たちに一目置かれているらしく。私としてはギャップ萌えです!!!
このドラマ、同じ長瀬くん主演・堤幸彦監督の『池袋ウエストゲートパーク』とは別物なんだけど、ちょこちょこ『IWGP』を彷彿とさせるシーンが出てくるところが、マニアにはたまらない!!!
「非・リアル」な医療ドラマなんだけど、長瀬くんの熱い演技でグイグイ引き込まれちゃう!堤幸彦演出らしい、小ネタも満載で目が離せない!金髪ニノも見逃せない!
医療ドラマだからって、リアルに拘らなくても面白い作品ができるね、っというお手本じゃないかしらん? あ〜、また見たくなっちゃった!