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【映画】花束みたいな恋をした:カップルで観るのは要注意?!

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みずみずしくて綺麗なだけに、枯れていくのは・・・辛いなぁ。

素敵な二人が演じるからすごくイイ!

デートでこの映画は、カップルで観るのは…ちょっと…ねぇ…(と、おばさんは思ってしまったりして)。感謝や祝福、愛情を表現する際に贈られる花束。

綺麗だ…。部屋に飾れば華やかでみずみずしいエネルギーに満たされる…んだけど、時間の経過とともにどんどんしぼんで枯れてしまうのも花束の宿命・・・。

 

『花束みたいな恋をした』はドラマティックな恋愛というより、誰もが経験しそうな甘くて苦い、でも時間の経過とともに輝きを取り戻しそうなアオハルな物語だ。

今をトキメく菅田将暉さんと有村架純さんのラブストーリーだから、みごたえのある素敵な作品になるのは間違いない(^^)

 

学生時代のビビビ恋愛とその経過

大学生の山根麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)の出会いはちょっとした偶然だったが、互いの感性に多くの共通点があることから意気投合し、一気に恋愛に発展する。

ラブラブの同棲生活をスタートさせ、大学を卒業しても、それぞれ好きなことをするのを第一に、フリーターをしながら仲良く暮らしていた。

やがて、麦は簿記の資格をとって事務のパートをしながら生活を支え、イラストレーターになりたかった麦は、なかなかイラストだけでは食べていけず悩ましい日々を送るようになる。

そんな二人を心配して、それぞれの親がアパートにやってくる。

「このままでいいのか?」「将来のことを考えているのか?」「いつまでも恋愛モードで浮かれていないで将来のことを考えた生活を始めなさい」

結局、麦は二人の生活を維持するために、会社に就職することを決め、営業の仕事に就く。

…そこから、少しずつ、少~しずつ変わってくる二人の関係。

みずみずしく楽しい生活がどんどん、、、しぼんで、、、。

この映画は、そんな二人の関係の変遷が、日常の何気ない出来事を通して綴られている。

 

すっかり大人になっちまった人には、「あるよねぇ…こういうこと」と大きくうなずく物語だが、これをバラ色の恋愛中の人や、これから本気の恋をしたいという若者が観てもいいのかな。『学生時代の花束みたいな恋は成就しづらい』という、水曜日のダウンタウンに出そうな企画モノを見てしまった気分だ。

いま(2022年1月現在)U-nextでやってるんで、ぜひ観てください。

 

学生だからって無責任に生きられる、とは思わないけど

学生時代って実はあっという間に終わってしまうかけがえのない時間だから、歳をとってから「あぁ、あのころからやりなおしたいな…」と思ってしまうことが多々ある。学生時代にもう少し精神的に成長できていればな、とか、もうちょっといろいろ経験しておけばよかったな、、、とか思うのだが、結局、当時の自分にはそんな度量もキャパもなかった。あぁ、なんてムダやムラの多い時間を過ごしたのだろう…。

学生時代はなんだかんだで自分のことだけを考えて生きていけるし、年齢的にもまだ未来への時間がたーんとあって「あれもできる」「これもできそう」と思いがちだ。でも、「時間が(まだ)ある」という思いは、ひとつ間違えると「(いまは)まだいっか」と変な余裕を持ってしまうので、あれよあれよと時間が経って、気づけば周囲から「もーう、イイ年なんだから!」と言われてしまう。

そんな感じで、気づけば40、50になっているのがわ・た・し(涙)。

 

”若さ”ってキラキラまぶしくて痛い。

老婆心ながら、50過ぎたオカンが言いたいのは、「若さという武器は出し惜しみせず、たくさん失敗してしまえ~!」ということだ。『失敗が怖い』と言う人がたくさんいるらしいが、失敗のおかげで人生のネタが増えるのだ。ケロリ忘れるか、ネチッとした念に熟成させるかは自分しだいなのだ。しかも、恋愛においては、たとえお別れがあってもそれは失敗ではない。縁は一期一会だもん。

つまり、この映画に出てきた麦も絹も「いい経験をした!」ということだ。『花束みたいな恋』は、いつかは枯れてしまうんだけど、その経験と思い出はけっして枯れない。人間としてひとまわり成長できるし、そういう恋愛を経て、やがて、現実的な結婚というものを考えていくほうが、なんか、結果としてうまくいきそうだ、と思う。

そういう意味で、恋愛って人間関係のひとつのカタチである。恋愛で破滅したり、人生をかけちゃったり、すべてを捧げるというのは、物語としては美しいけれど、そんなことを期待したり願ったり、そうありたいと思っても、人の心模様は移ろいやすい、、、人生をまるっと捧げるほどのものじゃない。

だから、キラキラ輝く恋愛を終えた悲しみに浸っている人はぜひ、この映画を観て欲しい。

マッキーの歌「もう恋なんてしないなんて~言わないよ、ぜ~ったい~」でいいのだ。

現に、麦も絹もちゃーんと次の恋を始めている。大好きで唯一の存在だと思ったこともあった二人が花束みたいな恋をしたから、ひとつ大人になって新しい恋ができるのだ。

 

カップルで観て互いの感想を言い合えば、麦と絹が恋に落ちた意味が分かるかもしれない。