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【映画】罪の声:実際の事件をモチーフにしたフィクションなんだけどなんだかこれが真実っぽい

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脅迫テープの声がジブン?!記憶の彼方に置いていった罪を背負う運命

 

じゃんけんぽん!

グリコ~♪ チヨコレイト~♪パイナツプル~♪

 

このじゃんけんで遊んだ世代の人ならご存じの方も多い(?)と思われる

グリコ・森永事件。

 

1984~85年に、大阪~神戸で起きた大手食品会社を標的にした企業脅迫事件。

江崎グリコ社長は誘拐されたものの、拘束されていた場所から自力で脱出に成功。脅迫状に自らを「かい人21面相」と名乗った犯人グループの情報はけっこうたくさん出てきたにもかかわらず、2000年に時効となった迷宮入り怪事件、である。

 

事件が起きた当時、私は中学3年だった。

かい人21面相」という名に、幼いころテレビではまった『少年探偵団(BD7)』(はまった理由はBD7団長の小林少年を演じた黒沢浩さんがイケメンだったから。思い出したら観たくなった!『ぼ、ぼ、僕らは少年探偵団~♪』)を思い出し、ちょっとワクワクしてニュースを観たことを覚えている。が、事件のメインステージは阪神地区だったため、世間は大騒ぎしていたものの関東地区で暮らす私にとっては、「あっち(遠いところ)の出来事」としか思えなかった。

 

この怪事件がモチーフになったのが、映画『罪の声』である。

映画については、公式サイトを見てください!

tsuminokoe.jp

35年の時を経て残された音声テープが自分の声だと知り、自分の犯した罪の重さに苦悩しながら、真実を突き止めることが贖罪であるかのように真相を追う曽根俊也(星野源)と、未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、事件を丹念に追いかける新聞記者の阿久津英士(小栗旬)。二人は出会い、やがて、事件の真相を解き明かす。

脅迫テープに登場した子どもの声は3人。その3人の運命はいかに…

ネタバレになるのであらすじは書きません。

この時代に、142分という上映時間。長編って感じでドップリ浸かることができます。

本物の事件に登場した男児の声の主は今、どうしてるんだろ…

この映画を観て思った。

実際、グリコ・森永事件で犯人グループが使った脅迫テープに男児の声が使われていた。曽根俊也はいたのだ。あの子は今、いったいどうしているんだろ…。

記憶の彼方に消えた罪を掘り起こして、苦しんでいるのだろうか?

それとも、知らぬままなのか?

 

それにしても、子どもを利用するなんて罪なことをしたものです。

 

フィクションなんだけど、なんだか納得。

事件の真相は、よくできてます。

「そうだったのかぁ…」これが、ほんとの事件の真相なんじゃないか、と妙に納得してしまう。でもフィクションです。原作の塩田武士さん、よーく考えたもんだ。

ひとつだけ、、、俊也の声をテープに吹き込ませた人物の、その理由が納得できなかったけどね。

 

グリコ・森永事件は派手な犯行ではあったけど、結局は犠牲者(亡くなった人)はいなかったし、ところどころふざけているんじゃないか?と思うような部分もあって、怪事件ではあったけど残忍で思い出すだけでも気分が悪くなる…というような事件ではない。犯人グループが警察や大手企業を「おちょくってる」感があったし、あんなにたくさんの証拠が残っているのに解決できなかったのは、どこかである種の力がかかった、故意の未解決なんじゃないかとさえ思えてしまう節もある。

実際、犯人が捕まらなかったので迷宮入りのまま。

我々の想像で追いかけていくしかない事件になってしまった。

だから、こんな形で蘇って再度私たちが事件を追うことができるってのは、なかなか面白いですね。

見ごたえありました。

さすが、野木亜希子さんの脚本。場面設定とセリフが絶妙で心に刺さります。

 

★みじん子レーダー【映画】罪の声
●ドラマティック度:★★★★☆
●鑑賞後の心地良さ:★★☆☆☆
●ドラマの重量感:★★★★☆
★モチーフとなった実際の事件を振り返りたくなった142分