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【ミュージカル】お前はいったい何者だ?! -ジーザス・クライスト・スーパースター in コンサート-

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イエス・キリストの生き方はロックだ!!

 今度生まれ変わったら、絶対にミュージカル俳優になる!!

 と、マジで思っている。そのくらいミュージカルが大好きだ。そんな私にとっての神はイエス・キリストというよりもアンドリュー・ロイド=ウェバーだ。私がミュージカル愛に目覚めたきっかけとなった『オペラ座の怪人』からはじまって、映画化もされた『エビータ』、今度、劇場版が公開される『CATS』...ミュージカル好きな人でなくても知っている大ヒット作を彼は次々と生み出した。今年の2月にTOMOさんと行った『ラブ・ネバー・ダイ』はオペラ座の怪人の続編でもあり、石丸幹二さん、平原綾香さんの素晴らしい歌声に二人で涙した。

  さて、そんなミュージカルのゴッド、アンドリュー・ロイド=ウェバー氏の作品を知るには『ジーザス・クライスト・スーパースター』が外せない。1971年ブロードウェイにて初上演。イエス・キリストの最後の7日間を題材にしたオペラ形式のロックミュージカルとは、なんと前衛的なのだろう。突飛もない演目をキリスト教の国で上演しちゃって大丈夫なのか?という不安をよそに、この演目は世界的に大ヒットした。日本では原作にアレンジを加えた劇団四季バージョンを上演したこともあったが、なかなか観劇のチャンスに恵まれずにいた。・・・そんなところで今回、東急シアターオーブで『ジーザス・クライスト・スーパースター in コンサート』が上演されるというではないですか。。。そりゃ、行くしかないでしょう。

 

 今回はコンサートバージョンだということで、どんな感じなんだろう?と思いながら劇場に足を運んだ。一緒に行った友達は、20代のころブロードウェイでミュージカルを観たそうだけれど、当時の感想は「??」だったとのこと。会場前方で観劇したそうで音量も大きかったこともあり「これ?ヘビメタのコンサート?」という感じだったらしい。

 初めてのバルコニー席からの景観は上々だった。舞台全体と観客席全体が見渡せる。

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 キャストは世界で活躍するミュージカル俳優たち。詳しくはサイトを見て欲しいんだけれど、そりゃそりゃすごい歌唱力。演技力。コンサートとはいえ、ミュージカルシーンを彷彿とさせるステージと彼らの素晴らしい演技に、ヤバい!!感動したっ!

 全曲英語で歌うけれど、字幕もあるので、内容はバッチリわかる。あぁ、こういうストーリーなんだ!そりゃ、ロックだ!ロックじゃなきゃ語れないっ。そんな内容だ。

 

 イエス・キリストは普通の男だった。実際に教えを広める活動をしたのはたった三年。そのたった三年で、彼は民衆から「神の子」と崇められるようになる。やがてローマ総督府からユダヤの王と自らを称した罪で磔刑に処せられる。

 ミュージカル中で彼は、ごく普通の男性だ。このまま普通に父親の大工を継げばよかったのに、なぜ、ここまで大事になっちゃったんだ?というユダの嘆きの声が会場に響く。。

 いろいろある中の私の解釈。イエス・キリストは苦しむ民を救いたいというシンプルな考えで行動しただけだったんだけど、やり過ぎたし、世の中の波に乗っちゃった。現代でいえば、ピコ太郎のPPAPみたいな現象が起きちゃった。結果、不満を募らせるユダヤ人たちの暴動を煽るような形になったことでローマ帝国の脅威になり、消される(殺される)結果に。理想を追い求めたもののその理想によって自らの命を捧げなくてはならなくなったイエス・キリストの嘆きや、彼の傍で彼の行いを見守りながらも、自らの度量を超えて民衆から神格化され収拾がつかなくなり戸惑いを隠せないイエスに「お前、やりすぎとちゃう?」という不安と共に、どこかで収拾を付けないととんでもないことになると危惧するユダ。

 そんな関係が、ロック調の音楽とともに語られる。

 まさに、OH! Jesus! という気分だ。

 

 ミュージカルの冒頭のセリフ、「お前は間違っている。お前が、自分を神の子だといった時から、お前は間違ったのだ。」 イエス・キリストに対する解釈を、このセリフで集約するにはシンプルすぎるが、もし今、この事件が起きていたら、もしかして私も「イエス、、、やりすぎたんとちゃう?」と言ってしまうかもしれない。

 コンサートラストの曲のセリフは「お前は誰だ?何を犠牲にした?」というもの。まさに、この一言に尽きる。「イエス、お前はどんだけの奴なんだ?何やっちまったんだ?!」ということ。まさに、ロックンロール!な生き方だったわけだ。

 これで、あのミュージカルがロックでなければ語れない理由がすべてわかった。完璧だ!まさに、ゴッド!

 

 とにかく俳優たちは最高だったし、観客も独特でこの演目の大ファンばかりだということがわかる。拍手と掛け声が凄かった。さすが歴史のある演目だ。帰り道、ミュージカルも観ていた友達が「このコンサート、ミュージカルよりすっごくよかった!ありがとう!」と感激していた。私は、こんどはミュージカルを観てみたい。