エンタメ愛が止まらない!!

愛するエンタメを語りつくせ!!

【映画】ヒーローものになりすぎないヒューマンストーリー - Batman Begins-

f:id:entame-lover:20191013103408j:plain

バットマンはヒューマンビーイングだからこそのドラマ

 『Batman Begins』は2005年、『The Dark Knight』は2008年の公開だ。人気アメコミから誕生した人気映画バットマンシリーズの中で、バットマン誕生と宿敵ジョーカーとの確執を理解するのにこの2作品は見逃せない。

 アメコミ発のヒーローものはいろいろあるけれど、正統派の無敵なスーパーヒーローとは違ってバットマンは極めて人間的である。人間、ブルース・ウエインがバットマンスーツを身に纏い、不屈な努力で身につけた武術や知恵や強い意志の力で敵と戦うというものだ。

 つまり、バットマンバットマンというヒーローよりも、アメリカの富豪ブルース・ウエインの生い立ちや生き方にこそ魅力を感じるものなのであるということを、この2作品を観て思うのだった。

  『Batman Begins』はなぜブルースがバットマン(こうもり男)になったのか、そのルーツが少年時代の経験と共に描かれている。ビュンビュン空を飛ぶかっちょいいヒーローになるならイーグル(鷹)マンとかでも良かったのに、そこをあえて「Bat(こうもり)」にしたところが、単なるヒーローものではなくむしろヒューマンドラマである所以でありBeginsの見どころだ。

 こうもりはイソップ物語『卑怯なコウモリ』で描かれているように、鳥と獣のどっちつかずで卑怯者の代名詞的な言われ方をしている。しかも活動は夜であり、日中は日の当たらない穴ぐらで暮らしている。

 ブルース・ウエインは汚職や不正ににまみれたゴッサム・シティを健全な街に取り戻すために、強靭な力を身につけようと世界中で修行を積む。やがて、ブルースを導いたヘンリー・デュカードによってネパールのヒマラヤにたどり着き、ラーズ・アル・グールが率いる影の同盟によって訓練を受けるのだ。

 そこでデュカードがブルースに「全ての生き物は恐怖心を持っている。恐怖を克服し、自ら恐怖を与える存在になる」と教えられる。 ブルースの中に在る恐怖とは、幼いころに悪ふざけで落ちた井戸の底で襲われたコウモリであり、コウモリのトラウマに襲われた結果、両親が殺されることになったという悲しい事件と「両親が死んだのは自分のせい」だという罪悪感である。

 過酷な修行によって恐怖を克服したブルースは、彼らがゴッサム・シティを破壊しようとすることを知り決別する。この時のラーズ・アル・グール渡辺謙。「おぉ、重要な役で登場したな!」と思ったが結局終盤で彼は影武者であったことが判明するのだけど。

 

 Batman Beginsは名文句のオンパレード。

 井戸に落ちたブルースを救い出した父親がブルースに言った言葉、

「人はなぜ堕ちる? 這い上がるためだ。(And why do we fall? So we can learn to pick ourselves up.)」

 とか、

 ブルースの幼馴染で正義感の強い検事補のレイチェル・ドースが

「人の本性は行動で決まるの。(It's what you do that defines you.)」

 とか、

 ブルースをバットマンに導く要人であるヘンリー・デュカードがヒマラヤで修行中のブルースに言った

「重要なのは鍛錬ではなく意思だ。(The training is nothing. Will is everything.)」

とか、

 ゴッサム・シティのマフィア、カーマイン・ファルコーニの

「人は恐れるんだ。理解できないものをな。(And you always fear, what you don't understand.)」

とか、、、

 

 エンターテイメントの枠を超えて、我々か弱き人間の核心を突いた言葉に考えさせられ、勇気をもらう。

 

 結局、ブルースは自らの恐怖の象徴であるコウモリに変身することで自分の信念と意思を示すのだった。かっちょいい~っ!あくまでもヒーローではない。とにかく闇の中で活躍する。手柄はすべてゴードン警部補に。

 バットマンはどんな悪党も自らの手で殺すことはしない。それは、アメリカの常とう手段である「報復攻撃」を皮肉っている気もする。

 バットマン登場とともに、汚れた街ゴッサム・シティに希望の光が見えたような気がするが、、、なんとジョーカーの登場、さらなる戦いを強いられることとなる。

 

 ・・・ということで『The Dark Knight』に続くのだが、これがまたジョーカーが筆舌に尽くしがたい悪党っぷりなので、また次回に書くとしよう!

 

 ブルース・ウエインを支え続ける忠実な執事アルフレッドの言葉を借りて締めくくるとする。どんなに不条理な世の中でも腐ってはならないのだ。

「けっして…(Never...)」

 

★みじん子レーダー【映画】バットマンビギンズ

●ドラマティック度:★★★★☆

●鑑賞後の心地良さ:★★★☆☆

●ドラマの重量感:★★★★☆

バットマンを知るならまずこの1本から!世の不正や不条理に抗う勇気をもらえる141分