エンタメ愛が止まらない!! リターンズ

愛するエンタメを語りつくせ!!

【本】嚙みあわない会話と、ある過去について:辻村深月

f:id:entame-lover:20211226165627j:plain

思い込んでるけど・・・それって事実?!

だれにでもある“認知バイアス

Type-Bシスターズ、みじん子です。

Type-Bの「B」は血液型B型のB。日本人は血液型と性格をからめて考えがちだけど、どうやら最新の研究では関連性はないという…が、なぜか私もTOMOさんもお互いに、親しい人間関係を見回すとBが含まれる血液型(B型orAB型)がほとんどだ。人口比率でいえば第3位のB型なのに、この偏りは一体何なのだろう。

ちなみに昨年11月にTOMOさん宅で開催した嵐フェスオンラインライブ鑑賞のアラフィフ女子たちは全員B型。ちなみにこの会は『ハッピー会』という。

 

前置きが長くなったが、私はいつも何かしらのマイブームがあって、それは定期的に変化する(熱しやすく冷めやすい?!笑)のだが、それは血液型の問題ではなく性格によるものだ。でもって、2021年後半からのマイブームは『認知バイアス』についてである。

認知バイアスについて簡単に説明すると、自分の価値観や思い込み、これまでの人生で培った物事の捉え方によって、無意識のうちに非合理的な判断をしてしまう心理現象のことである。

例えば、初対面の人たちが、それぞれ自己紹介を行うとする。
そのとき、自分の過去の実績を饒舌に語る自己PRが上手い人Aさんがいたとする。聴衆には「へー。すごいなぁ」と単純に感心する人もいれば、「どんだけ自己顕示欲強いんだよ」とモヤッとしている人もいる。事実はAさんがプロフィールを語ったというシンプルなものだが、Aさんの話を聞く一人ひとりがひとそれぞれの認知フィルターを通して捉えるので、Aさんという人をどう思うかはだれ一人として同じではない。・・・そのようなことだ。

ちなみに、「B型は変わり者」も認知バイアスであり、(昔はよくあった)飲み会の席で盛り上がる血液型の話で、「自分、B型っす」と言うと、たいていのA型は黙るし、O型は「え?!」と怪訝な顔をする…というのも認知バイアスである(笑)。

 

あなたのその「過去」、合ってる?

で、何を言いたいかというと、この認知バイアスが物事を捉えるメガネのレンズだとしたら、かなり分厚くて色がかっていたり、偏光だったり、かなり矯正された倍率だったり…と、事実を捉える際の大きなゆがみを発生させる恐れがあるのでは?と、私は危惧したのだ。

今、目の前に起きている事実でさえ、捉える人ごとにカスタマイズされる認知バイアスに、時間の経過が加わればどれだけ大きく変わってしまうのだろう…。たぶん、それはもう全く違う出来事に変化して、醜聞が美談にさえなりうる(が、その逆はなりにくい。なんてったってすべて自己都合だから)。

・・・というようなことを思うと、私たちは過去を、自分にとって勝手に変化させて記憶の隅に置いているのだ。自分にとって不都合なこと、苦しくて逃れたかったこと、そんな過去はすべてキレイに整えなおして記憶の倉庫に押し込むのだが、ひょんなことをきっかけにそれらが

「まじ、そうだったんっすか?」

と幽霊となって出現する。

…ということを、ブルブルと震えながら読めるのが、辻村深月さんの『嚙みあわない会話と、ある過去について』である。

f:id:entame-lover:20211226000018j:plain

嚙みあわない会話と、ある過去について

シチュエーションが全く異なる短編が4本。それぞれに登場人物の都合に合わせて変えられた過去が霊となって登場する。ゾクッとする。ミステリーやホラーよりも凍えるので、冬の夜長にぜひ楽しんでみてはいかがだろう。

www.amazon.co.jp

新しい年が始まった、ということで…。

認知バイアスに興味深々だったうえに、この本に出合ってしまったことで、2021年の暮れは自分の思い込みをできるだけひっくり返したいという思いに駆られた。

これまで興味が無かったことや、躊躇していたこと、「そんなのありえへん」と思うことまで、自分の思い込みを疑うようにしている。

すると、とりまく世界がグングン広がって、なんと面白いことか。私をよく知っている友人は、「また、はじまったか…」と笑って見ているだろうが、そんなマイペースがB型らしい(これも認知バイアス)ということで。

 

あちこち思考と行動がとっ散らかっている気もするが、このまま突き進むしかない。

呆れずに見守ってくれる友人のおかげで楽しく暮らせていることに感謝。