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【映画】望み:究極の「望み」は絶望の中に…?!

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あなたは、どちらを選びますかぁ?!

あなたの「望み」はなあに?!

生きていれば一度くらい「どうしようもない」と思うことに遭遇するものだ。

若い頃は、その「どうしようもない」ことに抗おうとしたり、執着したりしたこともあったけど、半世紀も生きていると諦めというか受容というか…、「仕方がない」という言葉を上手に使えるようになってくる。

それを“悟り”だという人もいるが、私の場合は単に「深く思い悩むエネルギーが無くなった」だけで、それはいわゆるガス欠の車みたいなもの。ガンガン突っ走れないだけ、なのだ。

もう、とっくのとうに自分自身に対する望みはすっかり失せているから、大したことじゃ揺れない。けれど、最後の最後に残るのは愛する者に向けられる「望み」なのかもしれない、と、映画『望み』を観て思った。

nozomi-movie.jp

 現実を考えて「こりゃ1万パーセント無理。」ということが解っていても、人間は一縷の望みを抱くものだ。

一縷(いちる)とは「一本の糸」という意味だけれど、これは、1本の糸程度の望みが残っているってこと。だから、だいぶマシ。実際には糸なんてない、というより、もうすでに目の前で地獄が展開されている・・・としても、人間は、自分の世界の中に“望み”を見出したいという本能があるのだろう。

できるだけ、自分にとって都合が良いように・・・。

 

絵に描いたような幸せな一家に起きた悲劇

映画『望み』は雫井脩介氏原作の小説を映画化した堤幸彦監督作品。

一級建築士として独立し、自らがデザインした戸建てで理想的な暮らしを送る石川一登(堤真一)、妻でフリーの校正者である貴代美(石田ゆり子)、高校一年生の長男規士(岡田健史)、中三の長女雅(清原果耶)。この4人家族が映画の中心人物である。

サッカーに明け暮れていた規士は試合中のケガがもとで部活を辞め、無気力に日々を送っているような姿に家族は気を使いつつ心配するものの、いつか立ち直るだろうと思っていた。ところが、規士はどんどん気難しくなり、なんだかよくない仲間とつるんでいる様子…。ナイフを買ったり、夜、ふらっと出かけたり…。

そんな規士がある日、「ちょっと出かけてくる」と言い残したまま失踪する。

 

時を同じくして、息子の通う高校である事件が発覚する。息子の友人が殺されたのだ。この友人と同じタイミングで行方不明になった同じ高校の生徒がほかに二人いるという。そのうちの一人が規士だった。

 

息子は・・・お兄ちゃんは・・・

被害者なのか? →被害者なら殺されている。

加害者なのか? →加害者なら殺人犯。

 

家族それぞれが、それぞれの「望み」を抱きながら事件に巻き込まれていく。

終始ハラハラ、ドキドキ、、、そして、すごーく胸が締め付けられる思いをしながらスクリーンを追いかけていくことになります。

ぜひ、観てみて、そのハラハラを味わってください!

 

他人事には思えない

いやぁ、これは究極の苦しみです。自分のことじゃあない。愛する我が子が事件に巻き込まれ、加害者or被害者の究極の二択を迫られるんです。すごく怖いし、、、でも、他人事でもない。ここまでのことじゃなくても、だれにだっていろんな事件に巻き込まれる可能性はあるわけで、故意じゃやなくても加害側になることもあるし、被害側にだってなるわけで…。そこに「命」が絡んできたら、もう、それは、その結果は神様にゆだねるしかない、とさえ思ってしまう。

大きなため息(深呼吸?!)をつきながら劇場を出て、「あー疲れた」ホントに疲れました。エネルギーの要る映画です。

 

母性本能をくすぐる人に、母さんは弱いのです。

長男規士役の岡田健史くん。こないだテレビで「いとしのニーナ」を「う~ん♪かわいいわ~♪」と思いながら観ていたけれど、こういう気難しい少年役もピッタリですね。

www.fujitv.co.jp

イケメンで凛々しいけれど、ちょっと不器用っぽさが漂っている感じが母性本能をくすぐるわけですよ。なんか「ママが助けてあげる」って言いたくなっちゃう(笑)ところがあるんです。インスタもフォローしているんだけれど、絵がとっても上手でスポーツマンだけでなく芸術肌な一面もあって素敵!

しっかり者で頭のイイ妹が清原果耶ちゃんってのもピッタリ。

パパが堤真一さん(彼も母性本能をくすぐるタイプですねぇ)、ママが石田ゆり子さんなんて、ホントに素敵なご一家です。

ステキすぎる家族だからこそ悲壮感がハンパないのです。

 

とにかく笑って生きたい!

映画でドーンと沈みそうになったけれど、気持ちを切り替えていきますよ。

私の「望み」は、「とにかく笑って生きていきたい」

それだけです。頑張って半世紀、生き抜いてきました。

多くを望みませんよ。贅沢も言いません。

だから神様!私の望みをかなえてくださーい!

ただただ、笑って生きていきたい、のです。

 

 

★みじん子レーダー【映画】望み
●ドラマティック度:★★★★☆
●鑑賞後の心地良さ:★★☆☆☆
●ドラマの重量感:★★★★☆
★なんともおぞましい悲劇で鳥肌も立たない108分