【映画】パヴァロッティ 太陽のテノール でエンタメ界の復活を祈る!
金持ちの嗜み『オペラ』を私のところまで引き下げてくれた人
世界三大テノールといえば、1990年、イタリアで開催されたワールドカップの前夜祭としてローマのカラカラ劇場で行われたコンサートで世界中に衝撃と感動を与えたことを覚えているだろうか?当時は、今よりもっとサッカーに疎かった私は、ワールドカップの前夜祭ということなんてほぼ頭に入っていなくて、ただただ「マジスゲー!この コンサート!」と、彼らの歌声に震えたことを覚えている。
その後、日本でも1999年に東京ドームで三大テノールのコンサートが開催されたのだが、もちろんチケットは取れず。高値かつ高倍率。生の歌声を聞くことなく今に至る。
…で、パヴァロッティ氏は2007年に亡くなってしまうので、世界三大テノールのライブはもう叶わぬものとなった。
それまでオペラって、どうも金持ちの嗜みって感じで敷居が高い世界だったんだけど、三大テノールの登場は、私たちにオペラの魅力と同時に、「私だって楽しんでもいいものなんだ!」と思わせる親近感のようなものを与えてくれたように思う。
ということで、ミーハーな私は当時、三大テノールに出合って以来、しばらくはオペラ鑑賞(といっても、CDが主だが)にハマり、オペラのハウツー本を読んだり、舞台を観に行ったりしたものだ。
…ということで映画紹介。
ビジュアル的にもこの三人の中で、最もインパクトの強いパヴァロッティ。彼のドキュメンタリー映画が公開中だ。
神様が遣わした声
人は天で自分の運命や使命を決めて生まれてくると言われたりしているけれど、この映画を観ると、「たしかになぁ…」と思う。
彼の生き様も圧巻で、パフォーマーとしての才能も素晴らしい。華やかな舞台、観客を圧巻する歌声…その裏で進行していた彼の人生。
これらを、彼の歌を交えながらドキュメンタリー形式で描かれている。
現在上映中なので、ぜひ観に行ってください。(ネタバレになるのでここに内容は書きません)
うっかり映画館で拍手しそうになりましたよ(笑)
音楽は言葉が要らない
いやぁ、音楽っていいですねぇ。言葉が要らないんですよね。共通言語が不要なんです。
たとえば、オペラだって原曲のセリフなんて日本語じゃないから何言っているか分からないじゃないですか。でも、震えるんです。感動するんですよ。
それは、もうこれは音楽だからです。セリフじゃないんですよね。
悲しみ、苦悩、愛憎…。人間のいろんな感情が、音になって伝わってくる。オペラは声そのものが楽器の音色みたいなものだから、演奏とのハーモニーが最高なんです。
ということで、ライブに行きたくなる。
コロナ禍でエンタメ界も大きく変わりつつあるわけです。ライブがほとんど無くなって、ネット中継などに代わってきました。
ま、それだけでもありがたいんですけれど、やっぱりライブの臨場感ってのはたまらないんですよね。音波が体中に響き渡るというか…。演者と観客の一体感とか…肌で感じる最高の刺激なんですよ。
これ、どうにか復活してもらえないでしょうかねぇ…。
会えないと伝わらないってこと、あるんですよね。
実は2020年は年頭に、「とことんライブを楽しもう!」と思っていたんですよ。舞台やコンサート、いろいろ観に行こうって思ってたんです。ところが、入手したチケットはすべて「中止」からの「払い戻し」(涙)。今風に言えば「ぴえん」からの「ぱおん」って感じ?
特に舞台って、演者の皆さんは初日に向けてたくさんのお稽古をしてきているんですよね。それなのに中止って、本当に残念だと思うわけですよ。
自分の仕事に置き換えて考えれば、入稿原稿まで揃ったところで印刷中止って感じ?!ローカルで動作確認してあとは本番サイトにアップロードする前に中止って感じ?!いやぁ、想像するだけでヒドイ話ですよ。空しい…空しすぎる…。
私にとっては「無かったことにしたい」年になった2020年が、もう後半に入りました。
これからやってくる冬。一寸先は未定&不明の世の中。どーなるんでしょうかねぇ…。
で、いろいろ考えたんですが、結局、自分から取りに行くしかないんですよ。
自分から面白いことをゲットするしかないんですよね。
それは、まるでビーチ・フラッグスみたいなことなんですよ。必死に取りにいかなくちゃならないんです。
どんなことがあっても朝が来ます。太陽が昇ります。
その陽の光をゲットしにいく。それは自分次第。
パヴァロッティの太陽テノールを聴きながら、沸き上がる力を信じ、エンタメ界の復活を祈ろうと思うわけです。