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【ドラマ】岩井俊二が描く美しいSFドラマ『なぞの転校生』

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この世界も平行世界も平和でありますように…

岩井俊二が連ドラを手掛けたのはこれが初めてなのだそうだ。

2014年1月〜、テレ東深夜枠で放送されたなぞの転校生。どこかで聞いたことがあるタイトルだなぁっと思ったら1975年にNHKでドラマ化されていた作品のリメイクとのこと。1975年には私もまだ子供だったので、当時見ていたかどうかの記憶も定かじゃないんだけれど。

原作は眉村卓

ともあれ、岩井俊二さん脚本で中村蒼くんや本郷奏多くんが主演!これがなぜ深夜放送なのだ!?っと思いつつ、、、初回から、何とも叙情的で儚気で美しく、謎多き不思議な世界観に引き込まれて行った。

岩田広一(中村蒼)と香川みどり(桜井美南)はお互いに意識し合っているものの、一歩先へは進めずにいる幼なじみ。物語自体はSFなんだけど、彼らを中心とした普通の高校生やその家族の日常や感情も丁寧に描かれていて、普通のちょっと隣にじわじわ違和感が生まれていく感じが味わい深い。広一の隣人(ミッキー・カーチス)も壊れたおじいちゃんみたいで怪しさ全開!

二人が通う高校になぞの美少年・山沢典夫(本郷奏多)が転校してくる。

ちょっと変わっているけれど普通の高校生に見える典夫は、みどりの前で、音楽室のピアノで美しい旋律の曲を奏でる。ショパンの「雨だれ」。

だが、みどりは「ショパン」の存在を知らない。

このあたりで、現代の日本にそっくりな広一たちの世界が、今、私たちが暮らしている世界とは違う世界なんだと気付かされる。

対して典夫は本物の花を見たことがなく、空の美しさに感動する。

私たちがいる世界とは違う広一たちの世界に、さらに別の世界からやってきた転校生。

物語の中では「平行世界」と呼ばれていて、広一たちの世界はD-12。典夫はD-8世界からやってきたヒューマノイド。D-8世界は科学技術がD-12の数倍も進んでいるのだが核兵器による放射能で崩壊、D-8から逃れてくる王妃(リリィ)と姫・アスカ(杉咲花)を迎えるための先遣隊としてやってきたのだった・・・・・。

 

 

 

さてさて我々が住んでいるこの世界は、何番目の平行世界なんだろうねぇ?

平行世界にはある一定の確率で同じ人間が存在するらしく「アイデンティカ」と呼ばれている。広一とアスカはそれぞれ互いのアイデンティカであるという運命的な出会いでもあった。

私たちがただ一つと信じているこの現実世界にも、もしかしたら平行世界があって、そこには同じ自分がいて別世界の中で必死で生きているかもしれないよね!

 

・・・などと想像してみたりして〜〜〜(笑