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【ドキュメンタリー】Nスペ:ボクの自学ノート~7年間の小さな大冒険~を観て感じたこと

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学ぶこと…とは自分の中に在る「?」に気づくこと

友人オススメの番組を観た

自宅から徒歩3分にあるTULLY’Sで談笑。ほんの僅かな時間でもこうして会える友だちが近くに住んでいるということは心強い。それまで当たり前だった「笑顔で人と会う」というシンプルなことがどんどん難しくなりそうな世の中で、やはり大切なのは人との繋がりだということを実感する。

そこで、2019年11月に放送されたNHKスペシャル『ボクの自学ノート~7年間の小さな大冒険~』が2020年3月31日に再放送があり「オススメですよ~!」という話を聞いたので早速、録画して観た。

www.nhk.or.jp

 

番組の情報を調べているうちに会員登録してしまいましたよ、NHKオンデマンド。ちょうどParaviの無料視聴期間が終了したので、その代わりというのもなんなんだけど(だってこっちは有料だからねぇ…)、観たい番組がいっぱいあるので、しばらくは契約してみようと思ったわけです。

興味関心のコレクションノート『自学ノート』

明日佳くんは北九州市で暮らす現在高校生の少年。ウチのJKと同級生だ。『自学ノート』とは自分で自由にテーマを挙げて調べまとめる…つまり(自分で学んだこと)を記録したノートである。

小学生の時に学校の課題で自学ノートに取り組むようになって以来、課題はなくなった現在でも彼の自学ノートへの取り組みは続いている。それはコツコツと地道に行う個人活動の極みたいなもので、いわゆる学校で評価される部分とは違っている。

学校で行われているのは積極性やコミュニケーション力などのようなチームワーク力が求められる平均的教育だ。独立独歩的な明日佳くんの活動は評価されにくいだけでなく、「そんなことをするより友達と遊びなさい。テストの点が取れるように勉強をしなさい」というのが日本の教育である。生徒一人ひとりの個を伸ばそうというのはあくまでも理想論で、過重労働で疲弊した教師に一人ひとりの個を見出す余裕などない。教育分野のデジタル化もあいまって、教育レベルの差をなくすために指導内容は一層マニュアル化され、より個性の尊重は遠のくのではないかという危惧がある。

だからこそ明日佳くんの取り組みは、ますます平均化されてしまうであろう子どもたちが自らの力で個を発揮できるチャンスに気づくための絶好の機会なのではないか?と思うのである。

この機会に多くの親子さんに観て欲しいなと思います。

 

私はオワコンだから…

かつてほどの効力は無くなったとはいえ、日本はいまだ学歴社会だ。学校で「何を」学んだのか、というより、「どこの」学校へ進学したのか?を評価に置いている人が多い。学校に評価してもらえるように…と、子どものパーソナリティを二の次にして(大人が)(学校が)求める子供像を押し付けられて育った人は我々の世代には多い。子どもの評価のためにPTAに入る親がいたり、評価欄に一筆書いてもらうためにボランティア活動に参加するよう子供に指示したり。つまり目的はあくまでも「自分へのメリット」であって、物事の本質を見る気はない。他者からの評価・評判に応じることができる人間を日本は量産した。

だから大人になってから「自分とは何ぞや?」と自分探しで迷走する人が多い。「自分が何をしたい?」よりも「自分は(周囲から)何を求められている?」についての感度を上げれば上げるほど、学校での評価は上がる…のだから。

 

時代は大きく変化している。たぶんこの変化のスピードはどんどん加速するだろう。

人口が減り、人に対する価値が変わる。歯車の一つはAIに取って代わられ、より人間でないとできないことに価値が置かれる…としたら、平均的であればあるほどそれは没個性となり付加価値を失う。

 

変化のスピードが加速するなら、必要なのは意固地ではなく臨機応変だ。我々世代の常識は「オワコン」であることを自覚して、次世代育成はどんどん新しい視点と取り組みを実行することだ。

…なのに、年寄りが業界を仕切ってる日本。…だから、世界から置いていかれるのだ。老害なんですよ、社会の諸悪の根源は。

かくいう私もそろそろ老害世代の域に入らんとしています。だからこそ、まず自分を疑っていきたいと思う次第です。

 

読んでもらうためにまとめる自学ノート

私が明日佳くんの自学ノートで素晴らしいと思ったのは、そのノートが自己完結のものではないことだ。必ず読み手がいる、ということ。誰かに向けて書く…というのは素晴らしいことです。

私も含め、オタク気質のある人間はついつい自己完結しがちである。誰かに読んでもらいたいとは思わない、ただ自分でまとめるプロセス、そして完成したものを自分で読んで大満足できてしまうのだから…。それはそれでいいのだけれど、「読んでもらう」ということを念頭に置きながらまとめる作業は、自己満足の作品とは大きく違う。メッセージ性という部分が違うし、読み手を通して学びの幅が倍増して自分へ跳ね返ってくるから。

明日佳くんは自学ノートでまとめたことを、必ず誰かに読んでもらうアクションを起こす。そこからはじまる交流、そして、知識の深堀り。独りよがりでは到達できない場所へ自らの力で突き進むのだ。しかも、そのアクションのすべてがアナログ活動だという部分がスゴイ。

彼のこうした行動力を認め支える親御さんの力は大きい。

 

在宅時間が長いなら…自学ノートづくりを楽しんでみては?

長い期間、在宅を強いられる私たちにとって自学ノートづくりは絶好の楽しみ方だと思う。自分でテーマを挙げて、ネットや本を利用して、自分オリジナルノートを作ってはどうだろう。あいにく博物館や美術館などへ行くことは難しい。ならば、ネットで調べて手書きする…とか。あえて活動そのものはアナログで。

教育…未来を担う人間に求められるスキル…学びとは…そんなことをいろいろ考えるいい機会になりました。ぜひ、番組を観てもらえたら、と思う。