【映画】サヨナラまでの30分:イケメン+バンド(音楽)+青春=至福の時間
限定版イケメンアソートBOXのようなキャスティング
キャストは新田真剣佑くんと北村匠海くんのダブル主演。そして、葉山奨之くん、上杉柊平くん、そして私の推しの清原翔くん。ヒロインは久保田紗友ちゃん、というフレッシュなキャストたち。
メンバーを聞いただけでも、もうウットリモード確定だ。そこに、映画の主題であるバンド活動っていうのがあって、真剣佑くんと北村くんの美しい声が響き渡る青春劇…となれば、こりゃイチコロです!
人格入れ替わり物語という最近よくありがちなネタではあるけれど、入れ替わりに深くかかわるカセットテープ(ウォークマン)が古くて新しい、斬新なアイデアだ。
亡くなったアキの魂が刻まれたカセットテープ
北村巧海くんが演じている颯太(北村匠海)は中学時代に母親を亡くし、父親(筒井道隆)と二人暮らしをしている就活中の大学生。人との関わりを好まずに、就活の面接でも陰キャ全開で、なかなか思うように進まない。ふさぎ込んだ気持ちを晴らすために、閉園した市民プールに来てはPCで趣味の楽曲製作をしたり、夜、星を眺めに来たり。
ある日、颯太はこのプールの片隅で古びたウォークマンを拾う。再生ボタンを押すと、なんと伝説のロックバンド『ECHOLL』のアキ(新田真剣佑)が颯太と入れ替わるのだ。ECHOLLはメジャーデビュー目前に解散し、ちょうど1年前、ボーカルのアキは事故死したのだった。
それにしても物語の中心となるカセットテープ&ウォークマン。知らない人もいるでしょ?オーバーフィフティの私にとっては、ウォークマンの登場は画期的だったんですよ。歩きながら音楽が聴けるなんてそれまで夢にも思わなかったんだから。
おサルの次郎君がイヤホンから流れる音楽にしっぽりと耳を傾けるSONY WalkmanのTVCMはすごく印象的だった。
しかも、オートリバース機能はカセットテープをその都度ひっくり返さずに済んで、エンドレスで聴くことができる今で言うところの神機能だった。
だれもが「欲しい!」と憧れ、クリスマスとか誕生日のプレゼントで欲しいと親にねだり、いち早く手に入れた友人の自慢の品として注目を集めたものだった。今、見るとでっかいんだけどね、当時は「こんなに小さいの~!?」と驚いたものだ。
そういうカセットテープの音源をこの映画では「温かい」と。そういうシーンに「あぁ、いいなぁ・・・」としみじみ思う年ごろです、私は。
ボクたち・・・入れ替わってる!?
前々前世~♪ではありません。あしからず。
ウォークマンに入ったカセットテープの再生時間は30分。アキと颯太は互いの目的のためにこの入れ替わりを利用する。アキと入れ替わった颯太は饒舌で人懐っこく、見知らぬ人にもグイグイ入っていく積極的な青年に変身。アキは颯太とは正反対。超ポジティブで、まるで自分には不可能がないと思っているような人間だ。アキのおかげで、就活の面接はスムーズに進む。
アキはECHOLLに対する思いを引きずっていて、颯太と入れ替わってなんとかバンド再結成を願うのだが、バンドメンバーにとっては見ず知らずで風変りな颯太をなかなか受け入れられない。特に、ピアノ担当兼恋人でもあったカナ(久保田紗友)の閉じた心はなかなか開けることができなかった。
やがて、バンドメンバーはアキと入れ替わった颯太を受け入れるようになるが、しだいに、カセットテープの再生時間が短くなっていき、颯太は颯太として、バンドメンバー、そしてカナに受け入れられていくのだ。
果たして、アキの思いは通じるのか?人に心を閉ざしてきた颯太は変われるのか?
公開から約1か月経ってしまったので、上映館が少なくなっちゃったけど、ぜひ、イケメン+バンド(音楽)+青春ストーリーを観に行って欲しい。
イケメン俳優で歌が上手いと、それはもう無敵ング!
劇中で流れるECHOLLの『風と星』はこの映画の音楽プロデューサーであるandropの内澤崇仁さんが書き下ろした楽曲。andropといえば、山崎賢人くんが主演したドラマ『グッドドクター』の主題歌「Hikari」が素敵だった。ほかに、さまざまなアーティストがECHOLLに楽曲提供している。劇中ではイケメンメンバーが演奏し、新田真剣佑くんと北村匠海くんが歌うんですよ。もう、たまらんっ!絵になります!しかも、二人とも声が甘―く優しく、、、上手い!イチコロです。
命は尽き果てても想いや念はどこかに刻まれているのかも…
アキの魂はカセットテープの中に刻まれていた。劇中のセリフに『思い出は上書きされる…』というのがあったが、さらに、「カセットテープは上書きされても過去の音(想い)は残されている」…とあった。
仏教的に言えば「成仏」とでもいうのでしょうか?よく、亡くなった人の想いや念が強ければ強いほど残される・・・とかいう話を聞いたことがあるけれど、そういうのって本当にあるかもしれないな、という気もする。
映画の中では、残されたバンドメンバーと颯太が前を向いて歩きだしたのと同時に、アキが消える…。つまり、生きて残された人間が亡くなった人を送り出せずにいることが、アキをこの世に残してしまったような気もする。
ある意味で死に対する『諦め』であり『受容』であり、、喪失からの回復なのかもしれないな…と思う。
★みじん子レーダー【映画】サヨナラまでの30分
●ドラマティック度:★★★☆☆
●鑑賞後の心地良さ:★★★★☆
●ドラマの重量感:★★★☆☆
●涙活度:★★★☆☆
★音楽もキャストも美しい青春映画で満足の114分