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【ドラマ】耳にも目にも心地よい朗読ファンタジー『この声をきみに』

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結び目理論ならスラスラ語れるんです、ボク。

 

ヲタ恋」の記事でみじん子さんが指摘した通り、オタクと呼ばれる人種はアニメやゲームなどの娯楽系オタクに限らず、好きな世界に没頭&満足し周囲からの目(評価など)は全く気にしない、いや、全く気にならないのが常である。自分だけならそれで良いのだが、社会生活を送っている以上、その周りには少なからず「気付いて欲しい」人もいたりする。気付いて欲しい人のサインに気付けず、気付いた時には「時既に遅し」という失敗を犯したことのあるオタクも多いことだろう。

この声をきみに(2017年9月〜)』は、数学オタクの大学准教授・穂浪(竹野内豊)が「朗読」をきっかけに自分が無意識に傷つけてきた家族の心に気付き、人の優しさに気付いて自分自身も新しい一歩を踏み出していくという、とっても温かな、優しく美しい物語。

何より竹野内豊様があのイケメンボイスで朗読してくださるのだ!
そりゃーもう、心地良いったらありゃしない!!
偏屈でイケてない数学者っていうのも新鮮で良い良い!!

 子供の頃にメビウスの輪の不思議に出会った時から数学の世界にのめり込んでいった穂浪孝(大学数学科准教授)は、話すことが苦手で学生に人気がない。家庭では妻・奈緒ミムラ)が二人の子供を連れて家を出てしまったのだが、孝には妻の不満の理由が分からない。

学部長から半強制的に命じられ、イヤイヤ参加した「ビジネスマン向け話し方教室」で講師・江崎京子(麻生久美子)と出会うが、前向きに参加している受講生を小馬鹿にしたような態度の孝は京子と言い争いになる。

後に京子が勤める「朗読教室」で再会、そこで出会った人々との交流や朗読を通して、偏屈で頑なな孝の中に少しずつ変化が起きていく、、、。

・・・・・・

 

朗読シーンでは、非現実的な比喩的表現をスルッと理解できない孝が、物語に没頭するにつれ物語の世界に迷い込み、体感しているような様子がファンタジックに描かれる。その一つひとつが可愛らしくて魅力的で、、。不器用な孝を心から応援したくなる!

朗読教室と並行して離婚調停が進み、少しずつ孝の家庭が崩壊するまでの様子が紐解かれていくのだが、これがねぇ〜〜(汗!
オタク気質を自覚している私としても胸が痛い。数学には全く興味がないので孝が夢中になっている数学の話には全くついていけないのだけれど、家族との食事時にも自分の研究に没頭してしまったり、自分の発見を奥さんにはしゃぎながら報告したり、、。悪気がないのはよ〜〜〜く分かってしまう。
夢中になっていて楽しくて嬉しくて、、、思わずはしゃいじゃっているだけなのだ。

だけど、その時、奥さんが何を思いどんな状況かとかには残念ながら思いが至らない。一つひとつは大したことではなくても、小さな不満が積み重なっていくうちに奥さんの心は冷え切り壊れてしまうのに、、、。

真面目に働き、妻や子供のこともちゃんと愛していて、暴力もふるわずギャンブルもせず浮気もしなくても、愛想を尽かされる。

あぁ〜〜。きっと私がドラマに興味のない人に夢中でドラマの話をしている時も、相手は似たような顔をしているのかもしれない(汗!!!

気を付けねば!気を付けねば!!!

だけど、、、気付けないことが多いから、、、、、、

自分の世界だけで幸せになれてしまうオタクでも、絶対に一人で生きていくことはできないのだから、、、。オタクが恙無く社会生活を送っていくのは、なかなか大変なのだ(汗!

 

さてさて。

AIが発達した昨今、読み聞かせもAIがしてくれる時代になってしまったようだ。

もちろん、視覚に障害のある方や高齢で文字を追うのも疲れるけれど読書をしたい、という人にとっては素晴らしい技術なんだろうけれど、、。

子供たちにはやっぱり人の声で、できれば生で、読み聞かせて欲しいなぁ。

上手く読めなくても、竹野内くんのようなイケメンボイスじゃなくても、心の込もった読み聞かせには、同じ物語を何倍も素敵にする力があると思うんだ!