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【映画・ドラマ】心優しい超能力者『サトラレ』

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サトラレサトラレだとサトラレてはいけない!

みじん子さんにブログ記事で宿題を出されたので(汗!・・・ちょっとだけ。

今回、みじん子さんと盛り上がったのは、小説や漫画などの原作を元に舞台化・映像化される作品はたくさんあるけれど、入り口がどこだったかで作品への印象が大きく変わるよね!?という話だ。

漫画原作がアニメ化される場合は、原作ファンがイメージしていた声優かどうかという問題はあるけれど、実写化に比べると違和感は少ないのかなと思われる。文章を読まなくなったと言われる昨今は、小説の漫画化・アニメ化もよくある話。私はラノベ寄りの小説もよく読むのだが、気付けばアニメ化していることが多い。

漫画・アニメからの実写化へのハードルはもっと高い。原作ファンにしてみれば、自分が愛した世界観が壊される!という負のイメージが強いのか、アニオタの姪っ子などは実写版を見もせずに全否定したりする。見ないで全否定するのは如何なものかと、叔母としてはもう少し広い心と視野を持って欲しいと思うものなのだが、まあ、エンタメは無理して見るものでもないし、それぞれの楽しみ方があっていいのだと思う。

 

さて、私の『サトラレ』との出会いは、2001年3月に公開された映画だった。原作は佐藤マコトの漫画である。

映画版の正式タイトルはサトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS』。

当時、安藤政信が大好きで(もちろん今も)どのような内容かも知らずに見たのだが、これがもう、、、号泣必至の感動ものだった!!

サトラレ」とは、あらゆる思念が周囲の人々に伝わってしまう架空の病名。他人の思考などを読むことができるテレパシーとは真逆の能力で、本人に自覚はなく、制御することもできない。ただし、「サトラレ」は例外なく何らかの天才で国益につながるため、本人にサトラレであると知られずに(自覚してしまうと自殺の恐れがあるため)国家をあげて保護・監視するサトラレ保護法が成立、サトラレ対策委員会のメンバーが常にサトラレの周囲で、彼らの生活を陰に日向にサポートしている。

映画版のサトラレ安藤政信。飛行機事故で両親を亡くし、祖母(八千草薫)に育てられ、心優しく優秀な外科医となるものの、思念が筒抜けの彼に重篤な患者を任せることはできず、本来の能力を活かしきれない。国家としては国益のために研究者への道へ進んで欲しい。そこで派遣されたのが小松陽子(鈴木京香)。そして、、、、。

という物語。サトラレは本人の自覚とは別にして事実上隠し事ができないわけだから、彼を受け入れている側の人々の生活もなかなか大変だ。クスッと笑いながらほっこりできる展開に安心していると、最終的にはとんでもなく胸を締め付けられてしまう!!!

八千草薫さんがさぁ、もう、本当に優しいおばあちゃんがぴったりでさぁ〜〜。

思い出すだけでも泣けてくるぅぅぅ(涙・涙・涙

 

で、次にテレビドラマでサトラレを見た。2002年7月〜。

ドラマ版のサトラレオダギリジョー!年々癖の強い役を演じることが増え、和製ジョニー・デップなどと言われているけれど、若かりし頃は割と普通の好青年を演じていて、その頃のオダギリジョーも素敵だったなぁっと見返すたびに思う。

ドラマ版ではコメディ色が強くなったものの、ハートフルで優しさ溢れる物語は健在!

設定は少し変わって、祖母ではなく母(風吹ジュン)と二人暮らし。はじめは迷惑がりながらも次第に理解者となり親しくなっていく病理医に鶴田真由。個性豊かな同僚には佐々木蔵之介小池栄子など。サトラレ対策委員会のメンバーは杉本哲太神田うの神田うのの様々な変装も見ものだ。

 

映画版では祖母が、ドラマ版では母が「あの子は声の大きな正直者」と表するのだが、まさにその通り。サトラレの思念は正直すぎて、時に聞かされたものの気分を害することはあっても、その能力故なのか、まるで悪意は感じられず優しさで溢れている。能力のせいでいつも周囲から敬遠され、理由もわからず寂しい思いを抱えていても、その分、人の痛みに敏感で誰よりも純粋な青年なのだ。

だから周囲の人々は、彼の思念に悩まされ続けても心底彼を嫌うことができない。

結果、彼の周りは優しさで溢れてくる・・・。

うぅ〜〜〜素敵よね〜〜〜!!!平和はこうして作られるんだわ!!

 

・・・・・

再三話している通り、私は自分に漫画を禁止しているのでこれも原作漫画は読んでいない。ウィキペディアによると、原作漫画では他にも様々な「サトラレ」が登場しているらしい。中には恨みから悪意ばかりを伝播させるサトラレや事故でサトラレ能力がなくなる人物などもいるようだ。面白そう・・・。

 

ともあれ、物語の一部を切り取られらた形の映画・ドラマ版『サトラレ』を、原作ファンがどう受け止めているのかはわからない。私は大好きなんだけど。。。

そこで初めの話に戻るのだが、同じ物語でも、どの作品が入り口だったかで印象が大きく変わるのは間違いないだろう。

私の個人的な見解なのだが、原作は小説なら短編のほうが映画化に向いている。長編小説を2時間に落とし込むとなると、どうしても端折る部分が多くなってしまうからだ。(その話の流れでみじん子さんに『解夏』を例に挙げた。『解夏』も後に連ドラにもなった。)

長編の原作を映像化する場合は、先に映画、後に連ドラ、として欲しい。2時間に落とし込んだストーリーも巧い脚本なら十分に楽しめる。ただ、連ドラで先に映像化されて10時間以上かけて紡いだ物語を、後から2時間の映画にすると、、、。どんなに元が面白い作品でも、どうしても端折った感が拭えないと思うのだ。

もちろん、誰もが映像化された順番通りに見るとは限らないし、おそらく、映画の予算とドラマの予算ではできることにも違いが出てきちゃうんだろうけど。

たまに、映画版のインパクトが強すぎて、ドラマ版で安っぽく感じるということもあるしなぁ。。。。う〜〜ん。

とにかく、クリエイターの皆さん、常に素晴らしい作品との出会いを心待ちにしているので、どうか頑張ってくださいませ〜〜!!!