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【映画】存在のない子供たち

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両親を訴える。僕を産んだ罪で…

たまたま動画で見た予告編に圧倒され、 すぐに上映館を確認したら都内では2箇所しかない(汗! しかも翌日まで!?

ということで、先日、慌てて見に行った。

今確認したら好評につき上映延長の上、新たな上映館も少し増えたようだ。納得である!!!

 

中東のスラム街で育った少年ゼイン。推定12歳。
出生届が出されておらず、無戸籍。貧困の中で多くの子供を設けてしまった両親も出生日を把握できていない。学校にも通えず、家族のため弟妹のため、劣悪な環境の中で日銭を稼ぐ日々。

そんな中、大切に守ってきた妹が初潮を迎えた途端に無理やり結婚させられる。
耐えきれず、家出をするゼイン。

家出先で出会った移民母子と生活を共にすることになり、、、。

 

まだ上映しているので、できれば内容は見て欲しい。

中東の移民や不法就労、人種差別や貧困などの問題はニュースでチラリと見ているだけで何も分かっていない私のようなものが、映画一本見たくらいで分かった気になってはいけないと思うんだけど。

本当に、全てに「圧倒される」という感覚だった。

 

不衛生極まりない劣悪な環境の中でも、淡々としぶとく生きている子供たち。親も周りの大人も自分自身が生きていくことに精一杯で、子供たちに人間らしい生活を保証してやることなどできない。

子供への愛情がないわけではないのだ。頑張ってもどうにもできない、ただ生き続けることしかできない日々に流され、半ば諦めているのではないだろうか。

そんな中で、ゼインの目が印象的だ。

いつも憂いを帯びた悲しい目をしているのだが、なんとも言えない美しさを湛えている。希望もなく食べるものにも困る毎日。知恵を絞り、僅かなお金を稼ぎ(時には万引きをしてでも)、自分より弱い幼子を守りながら必死で生きる姿がとにかく痛ましく、たくましく、そして美しい。

もちろん、どんなに頑張ってもそのままで生きられるはずもなく、止むに止まれずある事件を起こして逮捕されてしまうのだが…。

 

一見、可哀想で悲惨なだけの物語のようだが、それも違う。

私の拙い語彙力では表現しきれないのが悔しいのだが、可哀想とか悲しいとか憤りとかという単純な感情では見られなかった。ただ、最後はわずかだけれど希望が描かれるのが救いだった。感情が複雑に絡まりすぎて息をするのも忘れて見入っていたので、悲惨な最後だったら立ち直れなかったと思うのだが、とても心地の良い読後感。
物語の始まりから子供たちのあまりの境遇に思わず泣きそうになったものの、私がこんなところで泣いていい話ではない、と堪えていたのだが、、、希望が見え、ホッとして肩の力が抜けたら涙腺崩壊(苦笑!

私がここで泣いたところで、現実の世界で起きている悲惨な出来事は何も変わらないのかもしれないけれど。ハッピーエンドが世界中に広がることを願わずにはいられない!!

 

ちなみに。あまりにもリアルな演技で、どの国でも子役ってうまいなぁっと思ったんだけど、どうやら出演者の殆どが役者ではないらしい。何年もかけて取材をする中で、似たような境遇の人々を抜擢したそうな!ひょえ〜!

 

あと、この映画をみながら是枝監督の『誰もしらない』を思い出していた。

環境も親の境遇も全然違うので、比べるようなものではないのだけれど。実際、日本にも無戸籍児は少なからずいるんだよね。

はぁ、、、、。色んなことを考えさせられた映画だったなぁ。。。