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【ドラマ】見るならどっち?どっちもでしょう〜!(高校野球編)

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GUTS!がキセキを起こす!?

今日から夏の甲子園が始まった。101回大会だそうだ。

残念ながら、私は高校野球には興味がない。というか、スポーツ全般に苦手意識があるため、どうしても見たい!と欲するほどのスポーツが殆どない。それぞれの競技でスター選手が出たりすると、ミーハー力が発動されて夢中になる時はある、という程度である。

ところが、ドラマとなると別である。スポ根・青春・群像劇、大好き!!!

どんなにパターン化していても、どんなに青臭いセリフが連発されても、どんなに都合よくハッピーエンドになってもいい!
いや、むしろ都合よく展開してくれ!!!

 

ということで、まずは「ROOKIES」(2008年春・TBS)
原作は森田まさのりの人気コミック。

スポ根・青春・群像劇のお手本みたいなドラマじゃないか!!!
コメディ要素も満載で笑って泣ける、ドラマの王道だ!
激しくアイ・ラブ!である!

心優しい熱血教師に、『ザ・ヤンキー』という出で立ちの不良少年たち。格好だけは粋がっているけど、なんだかんだと仲間想いで、ちょっとおバカ。何と可愛らしいことか!!

昭和時代の不良はこんな感じだった。最近、こんなに分かりやすい姿の不良少年はあんまり見ないけどね。

球場で大乱闘、学校では窓ガラスを割り、廊下をバイクで走り、授業はボイコット。部室でたむろし、タバコを吸い…。一昔前の「スクール・ウォーズ」さながらのオープニング。

不良少年たちは、何だかんだ言っても繊細でとても素直。喧嘩上等!っとばかりに何度となくぶつかり合っても自分たちを信じてくれる熱血教師に心を動かされ、数々の困難も乗り越えて、一人、また一人と野球部員として立ち直っていく。

ただし、この熱血教師は野球を知らない。知らないからこそ、大胆になれることもある。やっと野球部らしくなったところで「めざせ甲子園!」っと大きな夢を掲げてしまうのだ。イケイケ!GO、GO!である。

こういう展開になる時って、不良グループの中でもボス的存在の子のほうが簡単には方向性を変えられなくて苦しいのよねぇ。想いは伝わっていても意地があるでしょ?なかなか素直になれないものよねぇ〜〜。結果、自ら孤立していくパターンに陥る。う〜〜〜〜切ない!が、その切なさもたまらない!!!
熱血教師はそんな時も静かに見守り、ここぞ、という時に彼らが折れやすくなるキッカケを作るのだ。

やがて結束した野球部の面々は雨の日も泥まみれになって練習に明け暮れ、仲間のために怪我をしても必死で戦い続け・・・。

いい!すごくいい!!!堂々たる王道だ!

果たして不良少年たちは甲子園に行けるのか?

物語は2009年公開の映画版「ROOKIES-卒業-」まで続く・・・。

完全にハマりまくり、彼らに感情移入しまくった私は、この年の甲子園で「ニコガク(劇中の高校/二子玉川学園)」の名前を探してしまった。もちろん無いのだが、、、。ニコガクを全力応援したかったなぁ〜〜〜!!!

 

・・・・・・

 

映画版「ROOKIES-卒業-」から5年。2014年春、今度は日テレで
「弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜」がスタート。
(原作:高橋秀実『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』)

こちらは成績優秀だけど決して運動が得意ではない高校生たちが「弱いまま」強豪校に勝とうと奮闘する物語である。

こちらはこちらで、ストーリーそのものは王道だ。
教師も生徒も周りの大人たちも、一つひとつ問題を乗り越え、成長し、仲間と打ち解けながら夢に向かって突き進む。ドラマとしては「あるある」満載の展開だ。

が、しかし!

主人公である教師と生徒が「不良」から「優等生」に変わると、同じ高校野球が全く違うものに見えてくる。そして、このドラマで私が一番好きなのは「優等生」たちがそれぞれ心底可愛らしい点だ。

大抵の学園ものでは大雑把に言うと「不良=実は心優しい良い子」「優等生=嫌味で可愛げのない子」に描かれてしまう。そのほうが物語としては分かりやすいのは分かるけど、何となく「優等生はつまらない」という印象になりがちじゃない?

ところが「弱くても勝てます」の優等生たちは、とってもキュートでユニークだ!
この学校においては優秀なのは当たり前なので「優等生」が特徴にはならない。
頭が良すぎるとちょっとズレてるよね、ってのは現実社会でもよくある話で、ドラマの優等生たちも真面目にちょっとずつズレているところが愛おしい。
なぜ野球部に居続けるのかが分からないほど下手だし覇気もないのに、最後まで投げ出さない。青志先生の口車にのって(?)練習は研究だと言われれば、コツコツと研究(練習)に勤しみ、研究成果を嬉しそうに報告する。実に素直なのだ。なんて可愛いのだろう!!!

ニノが演じた青志先生も然り。
早口でまくしたてるように非常識でとんでもない持論を展開する。
堂々と「我々は優秀だ」と宣言する。
強豪校の監督だろうがプロ選手だろうがお構い無しで言いたいことを淡々と言い放つ。
その言い草はもはや詐欺だと言いたくなるほどの強引な論理展開に舌を巻く。
青志先生が編み出した練習に泥臭さは皆無である。なにせ勉強第一の学校だ。練習時間は少ない。強豪校と同じことをしても勝てるはずがないのだから、必要十分なことだけすればいい。

なるほど〜〜〜〜〜〜、である!

 

ROOKIESの川藤先生が現代国語の先生だったのに対し、青志先生は完全な理系男子である。それぞれ何度となく心を打つ言葉を放ってくれるのだけれど、明らかに種類が違う。川藤先生の言葉は正統派だ。優しく温かく力強く視聴者をも励ましてくれる。

私なんてイチコロだ。毎回感動して震えるほど涙する。

対して青志先生の言葉は奇想天外だ。元々、教師を目指していたわけではなく、ラボの閉鎖で仕方がなく、つなぎで一年だけの教師生活である。自身の高校時代の反省も踏まえ、あくまでも「弱いままで勝つ」ためのセオリーを編み出しつつ、何と口が上手いことか!!っと感心する論理展開に相手を巻き込んでいく。生徒たちへの愛があるのか、持論を成功させるためだけに頑張っているのか分からない微妙なさじ加減なんだけど、「優等生」の生徒たちは青志先生の言葉を上手に受け止めて、咀嚼して、自分なりの答えを出しながら成長していく。青志先生の優しさは実に分かりにくい。

これまた単純な私はイチコロだ。青志先生の口車にまんまと乗せられ、毎回ワクワクが止まらない!コメディ演出は殆どないはずなのに、何度となくクスッと笑えるのだ。

 果たして彼らは「弱いまま勝てた」のか? 

 

全くカラーの違う2作だけど、どちらも清々しい青春物語。
見比べるのも楽しいかも!?